第23話 居場所
私は、ずっと求めてた居場所がようやく手に入ったと思ったのに。
あぁ、また失敗したんだ。
「…ははッ。もうどうでもいいや。」
何がしたいんだ、友人は。
心配でもしてるの?
そんなのいらない。余計に、惨めなイメージがつくだけじゃないか。
あぁ、友人も、「可哀想なイメージ」で障害者を見ているんだなぁ。
友人の思考が分からない。何を考えているのか。
唯一分かるのは、居場所なんて何処にも無かったんだなぁって事くらいだ。
「1人でいた方が楽じゃないか…、何が友達だ。」
何も知らない友情なんて要るんだろうか?
友人の事を私は何も知らない。
要らないだろ。こんなちっぽけな友情なんて……。
あぁ、離れたい。ドロドロとした甘ったるい友達と称した場所から。
苦痛でしょうがない。
居場所なんて無いじゃないか。
あの場所は、結局見せかけの友情。
自分が独りにならないようにするための場所。
「ねぇ、これやばくない?」
「ほんとだ、やばいね。」
共感を求められる世界。
なんて醜いのだろう。
共感出来ないと弾かれる世界。
それが、女子の友情。
私達発達障害者にとって、「共感」は辛いことだった。
もちろん、察することもだ。
大抵の女子は、察する事と共感で成り立っている。
だが、発達障害の女子は、それが出来ない。
共感せずに、自分の意見を言ってしまい、女子から弾かれる。
私にとって、共感は、難しいものであった。
なんで、共感しないといけないんだろう?
自分の意見を言えないのが苦痛だった。
思っても無いことに何で共感しないといけないんだ?
ずっと思ってきたことだった。
友人と居る時も。
だけど、極力共感するようには心がけていた。
共感しないと、めんどくさそうだから。
だから、友人と居る時も、共感はしていた。
段々とそれが苦痛になって来た。
共感がめんどくさい。
永遠の謎だ。
共感しないと居られない居場所なんて、意味が無いんじゃないか。
ずっと、そう思い続ける。
共感の何が良いんだ。
アドバイスしてもらえることこそ良いことじゃないのか?
聞いてほしいだけなんて、虫が良すぎる。
なにかしら、アドバイスをしたら何で駄目なんだろう?
きっと私は、あの場所は向いていないのだろう。
女子の世界は、私には、居場所が無いのだろう。
共感できない私は、邪魔者なんだろう。
そう思うようになったって事は、本当に私は女子が向いていないのだろう。
そう感じた日だった。
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