第22話 友人

 私は、予想外な事が起こった次の日に、学校を休んだ。



 理由は簡単だ。友人と顔を合わせたくなかったからだ。



 カミングアウトしている友人に。



「イライラするなぁ。」



 カミングアウトしてるとはいえ、理解無いなと思ってしまう。



「学習障害って聞こえたんだけどさ、そんな気はしてたよ。」って本人いる前で言うことじゃないだろ。



 本人聞こえてるって分かって言ってるんだろうか。



 しかも、皆いる前で。



 冗談じゃない。



 なにが、そんな気はしてただよ。



 分かってたなら、言わなくていいだろ。



 言って、本人が良い気持ちになるわけなのに。



 全部聞こえてるのになぁ。って思いながら、聞いてたけどさ。



 正直、話さなきゃよかったかもなぁ。



「めんどくさ。」



 こういうのがあるから、女子同士が嫌なんだよなぁ。



 どうせ、陰では色々言われてるんだろうな。なんて思いつつ、ため息をつく。



「はぁ。」



 明日学校に行くのが憂鬱だ。



 だるいなぁ。と思っていると、ピロン!と通知音が鳴った。



 ラインを開くと、仲の良い男子からだった。



【とある人から、音緒のこと聞かれたよ。聞かれたから、なんで?って聞き返したら、言葉濁してたけど。昨日の数学の事だろうけど。】



 へぇ~。心配はしてるんだ、あんな言葉言っておいて。



【ふーん。】



【なしたの?】



【いやぁ?おもしろいなぁって思っただけだよ。よくあんなこと言っておいて、心配出来るなぁって。】



【気がついてないだけだろ。そういう人だと思っておけ。】



【まぁ。そうするけど。】



 余計に会いたくなくなった。



「これだから、女子は嫌いなんだよ。上っ面だけの関係が1番吐き気がする。」



 そう呟く。



 だってそうじゃないか。上っ面で絡んで何が良いのか分からない。ただ、損するだけじゃんか。



 あぁ、面倒だ。正直関わるのがめんどくさいが、どうしても関わるので、笑顔で接することにした。




【ついでに、もう1個。縁切れ。】



 ピロンとラインの通知音がなる。


 

【これ以上関わってもいい事無いし、縁切った方良いだろ。】



 どうしろと。



【無理な話だな。授業殆ど同じだし。】



【え?関わっているように見せかけて、離れればいい。】



 無茶言うなや。



【無茶苦茶言うな。私器用じゃないわ。】



【あぁ、そうだったわ。】



 全く、器用じゃないってのに、と思いつつ、これからどうしようと悩んでいた。



 その答えは、出ないまま、寝る時間となってしまった。 



 



 



 






 



 



 

 



 



 


 


 

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