第11話 打ち明けることと理解者

 検査結果を聞きに行き、家に帰って来た。



「音緒はショック受けてないのか?」


「うん。良かったって思ってる。」



 そう、なんだって、かっこいい存在にになれるのだから。それに手帳を取得すれば、色々な物が安くなるから、私としては嬉しかった。


 なにしろ長年抱いてきた違和感の正体が分かったから、嬉しかったのだ。



「障害者になりたくない人は沢山いるんだぞ!!!そう言うこと言うな!!」



 何故怒られるんだろう。分からなかった。それに、遺伝の可能性で障害を持つ人だっているのに、なりたくない人だっているって言えないじゃないか。


 そう思ったが、黙っておいた。


「先生の言ってた事は多分こう言うことなんだろう。」



 父は納得したように言った。



「音緒は、支援とかできるって聞いて安心したんじゃない?」



 まぁ、それもそうだ。



「うん。」



「とりあいず、進路は後で、高校卒業目標にしようか。」



「うん!」



 母が理解してくれて嬉しかった。



 会話がそこで終了したので、私はリビングの扉を開け、自分の部屋へと向かった。



 私は早速ラインとTwitterを開く。



 Twitterの方では、由奈ちゃんに報告を、ラインの方では、Twitterを始めてから仲良くなった葛西佑かさいゆうと義稀くん、あとはリアルで会える友達に話す。


『心理検査結果出た。IQが低い事、支援が必要な事、対人関係でトラブル起きやすい事、障害者手帳を取れる事が判明したよ。』



 まぁ、予想していた通り反応は様々だった。



「驚いてる。」や、「確かにあるかもね。」だったりと来た。



 ただし、由奈ちゃんと、義稀くんは、反応が一緒だった。



「良かったね。おめでとう。」



 そう連絡が来た。



 ありがとうと返しつつ、ふと思った。



 佑はどう思っているのだろうと。


 ちなみに佑とはネットで知り合って2年以上経っている仲だ。



 私は佑に連絡する。



『佑は、私の発達障害を知っても、何も思わないの?』



 すぐに返事が来た。


『だって、音緒は音緒だから、たとえ障害があったとしても変わらないでしょう?それに、俺は音緒という人を友達として好きだから仲良くしてるだけだよ。』



 嬉しかった。涙が出そうなほど。



『嬉しいね。ありがとう。』



 私としては、理解して今まで通りに接してほしいと思った。



 それがどれだけありがたいことか、嬉しいことかこうなって初めて知ったのだった。


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