第3話 心療内科

 学校に行っても、私に向けられる視線は、相変わらずだった。



 奇妙な物でも見るような目つき。



 しまいには、「気持ち悪いよね。こいつ。」と指をさされ、笑われる始末だった。



 こんな調子が続くものだから、学校終わりには、ぐったりしていた。



 家に帰り、お母さんに「心療内科に行きたい。」と話した。



 お母さんは、「どうして?」と少し怒っているように感じたが、私は、きちんと行きたい理由を話した。



「精神的に限界だから行きたい。」そう告げると、許してくれた。



 予約を取ってもらい、その日までいつも通りの虐められる日常を過ごした。



 私は自分の部屋へと行き、配信を開く。



 配信をスタートさせる。



 すると義稀くんと、由奈ちゃんが来てくれた。



「大丈夫かー?」



「心療内科の件どうだった?」



 また心配してくれた。



 私は、母親に心療内科に行きたい事を伝えたこと、母親が良いよと言ってくれた事を話した。



「よかったね。」



「いっぱい話してきな。」



 2人から応援された。



 配信をしていると、リビングから母親に呼ばれた。



「ちょっと席外すね。」



 それだけ言い残し、母親のところへ向かう。



 階段を下りて、リビングへ向かう。



「どうしたの?」



「心療内科行く日にち、来週の火曜日で良い?」



 案外すんなりと予定が取れた。



「うん。」



「わかった。」



 私は、階段を上り自分の部屋へと向かい、配信に戻る。



「ただいま。」



「おかえりなさい。」



「何だったの?」と義稀くんが聞いてきた。



「心療内科行く日決まった。」そう報告すると、「いつ~?」と聞かれた。



「来週の火曜日だって。」



 2人から行ってらっしゃい。と言われたので、「行って来ます。」と返す。



 私はなるべく今の状況を紙に書いてまとめた。



 幼少期からの自傷行為。幼少期のイヤイヤ期が無いこと。幼少期からの自傷行為は今も続いていること。依存性が高いこと。これらをまとめた。




 そして、遂に心療内科へ行く日が来た。



 心療内科へ行き、今の状況を書いた紙を先生に渡す。



「そっかぁ、つらかったね。」



 今まで誰にも話してこなかった、自傷行為について初めて話した。



 ずっと抱えてな悩み。



 全部吐き出した。



 すると、先生は、「鬱っぽいのと、注意力散漫だね。」と言い出した。



「へ!?」


 驚いた。自分が注意力散漫だと思わなかったから。



 こうして、鬱病の検査とADHDの検査を受けることになったのだった。

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