第1話 配信者ネオ

 学校が終わり、即座に家に帰って自分の部屋に籠る。



 スマホを取り出し、スマホの電源を入れる。配信アプリを開き、配信をスタートさせる。



  岡澤音緒おかざわねおは、配信者「ネオ」という名前で活動をしていた。



 しばらくすると、仲のいいネッ友が来た。



「やっほー。」とコメントをしてくれた。



それに対し、私は、「やっほー、いらっしゃい。」と返す。



今現在来てくれたのは、伊藤義稀いとうともきだ。



皆から、義稀くんと呼ばれている。



「ネオさん」



今日あった事を配信でお互いに話す。



「今日はね……」



楽しかったことなど配信で話していった。



「お疲れさまー。」と終わりの合図を話すと、義稀くんは、お疲れさまーと返事をしてくれた。



義稀くんが返事をし終わってから、配信を切った。



ピコン!配信終了の合図の音と共に、ふぅ……と、一息ついた。



「今日もいっぱい話したな。」



  どういうわけか沢山話過ぎてしまう。



  相手のパターンのはずなのに、話し続けてしまう。



  無意識に沢山話してしまう。



「気を付けないと。」


 

配信を始めて、相手から指摘されて気がついた。



喋りすぎる事に。



だが、何故喋りすぎるのかは分からないままだった。



それは、学校でもやってしまっていた。



「それ前にも言ってたよー?」



え……。気がつかなかった。初めて話してなかったっけ。


 

 そんな思考が頭の中でまわる。

 


「そうなんだ。ごめんね。何回も同じ話しちゃって。」



友達に謝り、思考をめぐらせた。



初めて話した話じゃない?



どういうこと?



前に話したってことか……。



だが、その記憶が無い。



ますます、不安が広がっていく。



その不安は的中した。



この事がきっかけで、全て狂っていく。



学校生活でやらかしてしまった。



だが、その事に気がつかなった音緒は、まだ、知る由も無かった。



あんな事が起きるなんて。





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