悪役令嬢が必ず死ぬ運命だと言ったのは何処のどいつかしら?――死ぬ運命?そんなもの力でねじ伏せばいいじゃない――
ちーずけーき
第1話
乙女ゲーム『異能奇譚』
和風ファンタジーの世界でヒロインがキャッキャウフフする話
でも現実はそう甘くない
だって私はその『異能奇譚』の悪役令嬢、ヴァイオレット・ブラットリィに転生したんだから
流石乙女ゲームのキャラだけあって眩く長い金髪に碧眼の超絶美少女だ
この世界では十万人に一人が異能という魔法みたいなモノを持って生まれる
異能は強弱や種類があり私は運良く強力な異能を手に入れた
その名も『呪魂』
自分や他人の魂に触れ破壊や肉体を変えることができるかなりエグい能力だ
だけど異能を持っている人は国によって隠され一般人は知りもしない
異能を持つ人は生まれた時から妖怪を倒す運命を背負わされるのだ
妖怪という異能を持つ人間にしか見えない特殊な霊は異能でしか倒せない
私のブラットリィ家は代々異能を受け継いでいる
だが私の異能は誰も見たことが無く強力な異能だったらしい
まあそんな事は気にせず私がいま着ているのは...浪漫溢れる巫女服ではなく男物の衣だ
ちなみに私は今攻略対象の一人、レウス・エルジミットと対面している
こちらも赤髪赤目のイケメン君だ
私とレウスは今丁度8歳
で、しかも対面場所が不気味な森の前
周りには偉そうなおっさん達に囲まれて
私はすぅっと深呼吸をしておっさんに訪ねた
「妖怪を払えばいいんですね?」
「えぇそうですね、幸い妖怪に襲われた被害者は3名、そのうち2名が死亡していますが、レウス様と協力して倒してください...‥では結界:破魔」
おっさんは私達の前に結界を張った
結界を張らなくても不気味なのに張ると異能保有者にしか見えない独特な妖怪が放った邪気が見える
レウスは無表情にジッと北の方向を見ている
これはこれで怖い
「呪魂:肉体操作」
私は背中に鳥の翼をはやしフワリと浮いた
レウスは少し驚いたがすまんな、私は構わず手を釜に変えた
「レウス様も鳥になりたい?」
「御免被る」
悪役令嬢が必ず死ぬ運命だと言ったのは何処のどいつかしら?――死ぬ運命?そんなもの力でねじ伏せばいいじゃない―― ちーずけーき @04110411
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