幕間 幼馴染


 魔王様とダールグレン教授は、和風の小部屋で障子を開け、月を見ながらのんびりと酒を酌み交わしていた。梨奈が見たら大騒ぎして、この部屋に居るとごね出すような部屋である。


「血の杯は交わしたのかい」

「うむ」

「眷属になったのかい」

「あやつもな。躊躇いもしなかったが」

「なるほど、角は生えないのかい」

「外の色など好きに出来る」

 そう言うと魔王様の瞳も肌の色も変わり、角も見えなくなった。


 魔族への恐怖と怯えが消えると、壮絶な美貌だけが残る。

「出来るのは高位魔族だけだが。しばらく厭きないで済む」

「なあユースフ。私もだね、仲間に」

「フィンはこちら側だからな」

「まあ、大雑把に言えばね」

「飲むか」

「え、いいのかい」

「お前もいた方が面白かろう」

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