作品名：【短編】お試しTS少女がヤンデレ属性を解放した親友と一緒に堕ちるまで

作者名：赤城其

性癖：TS

性癖：精神的BL

性癖：隠れヤンデレ

性癖：傷の舐め合いと依存（ストックホルム症候群？）

作品ＵＲＬ：https://kakuyomu.jp/works/16817330656590432773

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　第三回性癖小説選手権で女装少年と男装の麗人の作品を投稿頂いた赤城其さん。第三回の時には『女装』や『歪な異性交流』を性癖にされていましたが、今回はその時の性癖から派生・進化した作品を投稿頂きました。

　内容としてはTS物の王道である、「ある日目が覚めたら美少女になっていて男の親友にだけ秘密を打ち明けたらいい関係なってしまう」という物。単なる『TS』ではなくて美少女に『TS』する部分や、親友が何でも出来る完ぺきな存在だからこそ少し屈託した主人公に惹かれていたとか、その親友にとっては主人公が女の子になったのが理想だったから女の子になっていて嬉しいとか、そういったお約束の部分をお約束だからと手を抜かず、しっかりと説明をされているところに赤城其さんの性癖小説に対する丁寧な手のかけ具合が伺えます。まるで女装や男の娘やメス男子やTS等の男が女になる事で興奮したり心境の変化が起こる作品を丁寧にデコレートするパティシエという感じですね。

　題名もここ数年で一般的になった長文説明タイトルであり、読む前から性癖を提示して読者に内容を伝える性癖小説ととても相性が良いです。「こういう性癖の作者がこういう内容の作品を書いています」というのは沢山ある作品の中からどんな物を読んだらいいのか分からない読者にとっては嬉しい説明でして、読む前から自分に合った性癖なのか、逆に自分と合わない性癖なのかが分かります。個人的には性癖は好き嫌いせずにどんなものでも一度は味わってみて欲しいのですが中々そうはいきませんもんね。

　又、作品の内容を王道とは書きましたが、赤城其さんの今作は王道でありつつもお風呂場の行為で「ちょっと濡れてたし」とか、「TSを固定化するのがキス」とか、「下着は上下ともに親友によって着付け」とかの、王道展開であれば多少誤魔化すだろうところも性癖に素直に描写されている部分がとても性癖小説としての濃度が高くて笑顔になってしまいました。

　商業作品だったらR18でない限りあまり書かれていないだろう部分を盛り込んでいらっしゃるのは流石という所でしょう。最後に『隠れヤンデレ』が発覚した親友と『傷の舐め合いと依存（ストックホルム症候群？）』によってズブズブになっていくだろう暗示がしてあるのもとても良かったです。

　正直なところ、赤城其さんは既に『女装』から始まる『ＴＳ』関連の「女の子という概念になった男の子」という性癖の性癖表現者（パッショナー）として完成されており、自分から言う事が何も無いです。

　今後とも、その高い「女の子という概念になった男の子」という性癖力を駆使して、様々な作品を作って頂けたらなと思います。ご参加ありがとうございました。