作品名：美しくあれ！

作者名：海道ひより

性癖：男子高校生

性癖：美少年

性癖：可愛い名前の男

性癖：キラキラした話

性癖：タピオカミルクティを飲んでる

性癖：水族館が出てくる話

性癖：長年の片想い

性癖：努力の結晶

性癖：ストレスから来る嘔吐

性癖：曇らせ、尊厳破壊

性癖：色々あったけどハピエン

作品ＵＲＬ：https://kakuyomu.jp/works/16817330656408726897

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　海道ひよりさんは今回が初参加の方になりますね。

　アカウントを見る限りは五月から作品を投稿され始めた様で、それなのに早速こんなニッチな自主企画にご参加いただきありがとうございます。

　こちらの作品はとにかく作者である海道ひよりさんの好きがこれでもかと詰め込まれた作品となっていて、最初から最後まで提示した性癖が流れる様に出て来ては折り重なって最後の性癖である『色々あったけどハピエン』に繋がる物です。

　外見が美しいキャラが虐められ、そこに美しいキャラがやってきて味方をするが、過去にした約束を覚えている為にその優しさを享受する自分に嫌悪感を抱き、味方をしてくれていたのはその約束の相手だったと判明するが、全く気付いていなかったので相手に一方的な物だったと気付かれてしまい、こちらも相手の美しさが作られた美しさだと気付いてしまったが、外見だけでなく努力出来る心が美しいと感じる物語。

　この様に、大筋としてはタイトルである「美しくあれ！」がテーマとなっていて、その美しさは外見だけでなく内面の美しさも重要であるという話に読み取れました。

　次から次へと性癖の見せ場がある事から、海道ひよりさんこの作品を楽しみながら書かれたのだろうというのが伝わってきてとてもいいですね。読んでいるこちらもニマニマとした笑みを浮かべながら楽しく読まさせていただきました。特に本番手前まで行っているのがさらっと書かれていたのはとても面白かったです。本人達の心境からしたらとても気まずいし、後でお互いに重荷になってしまっている笑いごとではないんですが、男とは言え恋人同士で思春期の学生なんだしそこまでやっっちゃってるんだなと思わず笑みを浮かべてしまいました。青少年ですもんね。興味あるしそんなにくっつかれたらやっちゃいますよね。

　全体的に好きに溢れた作品で『キラキラした話』だったのですが、提示して頂いた性癖の中の中でいくつか印象が薄い性癖があったのが勿体なかったなと思いました。

　ＢＬ小説として読むととても面白い作品ではあるですが、性癖小説選手権では「読者に性癖を植え付ける作品が評価対象」となっている為、提示した性癖のアピールが少ない事は少々評価が難しくなってしまいます。。

　具体的には提示して頂いた性癖のうち、『可愛い名前の男』と『タピオカミルクティを飲んでる』と『水族館が出てくる話』が、どのように素晴らしい性癖かという部分が読み取りにくかったのではないかと思います。

　逆に『長年の片想い』と『努力の結晶』と『ストレスから来る嘔吐』と『曇らせ、尊厳破壊』はこれでもかという程に伝わってきました。片思いの相手に釣り合う様に努力してきた姿とか、キスしながらの嘔吐とか、化粧をしていない自分を見られるとか、（ここはこの性癖を強調しているんだな）というのがしっかりと読み取れます。

　これが自分の性癖ですと最初に提示して頂いたからには、その性癖の素晴らしさを本文中に書き記して頂きたかったというのが性癖小説選手権主催としての講評となります。

　一般的なコンテストとは評価するポイントが違うので、初参加の方にはその部分の感覚を掴むのが難しかったのではないでしょうか。

　しかし、再度書きますが、海道ひよりさんの好きを詰め込んだBL小説としては作者も読者もとても楽しめる作品で本当に良い作品でした。是非ともこの一作で終えず、時間も性癖小説を執筆していただきたいと思います。

　素敵でキラキラした作品でした。ご参加ありがとうございます。