18.蠢く/神澤直子
作品名:蠢く
作者名:神澤直子
性癖:内臓
作品URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330656410153872
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一作目では年配の先生に興味がある女子高生の作品を投稿頂いた、神澤直子さんの二作目です。
一作目とは変わってグロ注意なR18Gに近い作品ですが、どちらかというと神澤直子さんの作品からはこちらのタイプの方が得意な感じがしますね。短い文章ながらも、白い肌に一筋の切れ目が入ってから赤い物が流れてくる描写と、その奥に柔らかく脈打つ臓器があるという事をしっかりと分からせてくれます。
内容的には「そこに物があります」を神澤直子さんの技術で官能的に書き記しただけの作品ですが、それだけだからこそ、神澤直子さんが体内の臓器が『蠢く』姿を性癖にされているのが良く伝わってきますね。
大勢の方は見た事が無いと思いますが、生きている動物の内臓って動くんですよね。「生きているのならば心臓が動いている」という知識は常識として持っていても、実際に動いている心臓を見るとその動きに驚くと思います。ドクンドクンというより、ウッゾゾ ウッゾゾ という感じで蠢いているんですよ。生き物だから機械的に正確に動いている訳じゃなくて毎回微妙に違った動きをしますし、液体が高速で流れているのだから不安定なんです。これは心臓だけじゃなくて他の臓器も同じで、血液や体液が流れていたり食べた物が運ばれたりしているので不規則に蠢いています。
本当に提示した性癖についてとても素直且つ簡潔であり、魅力も引き出せているとても良い性癖小説です。自分の好きな物を語るのに背景とか起承転結とかは無くても良いというお手本ですね。
ただ、描写が見事なだけに、文章に対してのグロ耐性を持っていない人には読むのも苦しい作品になっています。
性癖を受け入れれるかどうかはその人に多少なりとも素質が必要な為、その素質が無ければ今作を無理して読む必要もないかとは思いますが、『蠢く』という文字に惹かれる物を感じた方にはとてもオススメの作品でしょう。
合うか合わないかじゃ読む側の問題なので、性癖小説を書く人はそんな事全く気にしなくても大丈夫です。
誰かの好きは誰かの嫌いでもあるという良い見本の作品でしたね。素晴らしい作品をありがとうございます!
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