7.襖/尾八原ジュージ
作品名:襖
作者名:尾八原ジュージ
性癖:お題をもらうこと
性癖:突然の暴力
性癖:仲良し家族
性癖:ふすま
性癖:狂っているが、完全にそれを隠し切って社会に適合している人間
性癖:うなじ
作品URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330656241272746
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来ましたね、問題作。
こちらは第三回性癖小説選手権の時からジュージさんが毎回投稿されている、「お題を貰ってその内容で性癖小説を書く」という作品です。
つまり、「他の人が持つ自分のイメージの性癖で作品を書くという性癖」として『お題を貰うこと』を自分の性癖だと主張されている訳で、そうなると『突然の暴力』『仲良し家族』『ふすま』『狂っているが、完全にそれを隠しきって社会に適合している人間』『うなじ』の五つの性癖はジュージさんの性癖じゃないじゃないかと思えるんですが、そもそも掲示する性癖は自己申告であり、主催と言えどもそれを「あなたの性癖では無い」と言い切るのは難しいです。なのでこの五つの性癖もジュージさんの性癖としてカウントされますし、なにもレギュレーションに違反はしていないのです。ちなにみ、掲示されている性癖の中の「ふすま」は自分がジュージさん宛に出した「ジュージさんが持っているだろう性癖」ですので、そういう意味でも否定できません。
普段は自分が他人の自主企画のレギュレーションをハックしているんですが、性癖小説選手権では自分がハックされる側に周ってしまうとは。やはりジュージさんは色んな意味で侮れません。トカゲちゃんのつぶらな瞳と少し抜けたような笑顔のまま人を捕食するのでしょう。
尚、内容についてですが、募集された五つの性癖をまるでご自身の性癖かの様に扱って見事に魅力的な作品になっていました。特に『くるっているが、完全にそれを隠しきって社会に適合している人間』と『仲良し家族』の部分がとてもジュージさんらしい描写となっていてとても良いホラー小説になっています。
いやでもこれ、どんなに作品の中身について触れても、『お題をもらうこと』って性癖を掲げて本当にその通りにお題を貰って作品作っちゃってるっていう状況に勝てる性癖の表現部分無いですよ。
まずその行為自体がジュージさんの性癖表現の最大限な部分でして、この作品の醍醐味だと思いました。
尚、ジュージさんがお題を募集された時に『ふすま』と書いた理由ですが、ジュージさんには「中と外を区切る明確な線」と「その線を気軽に越えれる者と越えれない物がいる」という事に関心があるだろうなと思ったからです。
今作も見事に、「中と外を区切る明確な線」と「その線を気軽に越えれる者と越えれない物がいる」という作品になりましたね。流石ジュージさんです。
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