5.私のレシピ帳/あきかん

作品名:私のレシピ帳

作者名:あきかん

性癖:飯

作品URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330656248996821


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 第一回性癖小説選手権から皆勤でご参加頂いているあきかんさん、

 今迄いろいろな性癖をテーマに作品を投稿頂いてきましたが、第五回で『飯』という原点ともいえる性癖に立ち戻りましたね。たった一文字ながらも様々な意味の込められた性癖としてとても良いと思います。


 作品ジャンルはエッセイ。タイトルが「私のレシピ帳」という事でお料理本かと多むかもしれませんが、内容は料理と共に語られるあきかんさんの思い出という物になっています。

 最初は父親が好んでつまみにしていた郷土料理から始まり、上京してから一緒に居た相手に食べさせた料理、その相手が居なくなってからも飲み続けている教わったカクテル、一人になってから覚えた麻油鶏、実家の葬式で作ったレシピを受け継いでいない精進落としの雑煮と、それぞれ人生の時系列に沿って料理に付属する思い出が語られています。前々からあきかんさんは料理や食べ物に対してただの栄養補給以上の物を込めている様に感じていたのですが、今回の作品では明確に「思い出」や「記憶」というのを込められている様に感じました、

 物を食べるという行為は栄養補給の為ではありますが、「料理をする」というのは自分を含め誰かの為に行う行動であり、そこにはその誰かの為の思いが込められます。その思いが良い物か悪い物かは別にして、「料理をして飯を作る」という事は人間にしか出来ない相手を思いやる行動なのではないでしょうか。


 そうやって思いを込めて作った物。込められていた思いを感じながら作った物。それが今回のあきかんさんの提示する『飯』という性癖なんだなと思いました。


 ただ単に『飯』と言っても現代社会では様々な物を選んで食べる事が出来、わざわざ自分で料理してまで食べる酔狂者が多く存在します。

 極端な事を言えば栄養補給だけなら点滴を打っていれば生きられます。それでも選択して『飯』を食べるのは、生きる為だったり、思い出の為だったり、コストパフォーマンスの為だったり、誰かの為だったりと、色々な思いがあるんですね。


 自分も様々な物を食べる身として、とても素晴らしい性癖小説を読まさせていただきました。

 人によって『飯』から読み取れるものは別々でしょうが、自分は感情のある人間だからこそ料理をして飯を作るのだなと思います。

 ご参加ありがとうございました。

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