第五回性癖小説選手権講評置き場

@dekai3

1.青タン赤タン色よい返事/目々

作品名:青タン赤タン色よい返事

作者名:目々

性癖:隠されたもの

性癖:先輩

作品URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330656235096285


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 開催して直ぐに投稿頂いた性癖小説一番槍。

 流石目々さんですね。ありがとうございます。


 内容は短くとも起承転結がしっかりとされていて、その短い中でも『隠されたもの』と『先輩』に対する魅力が詰まっている作品となっています。

 特に『隠されたもの』の部分なのですが、最初はだれがどう見ても怪我だと分かる目の青タンを引き合いに出して置き、その青タンの理由を『隠されたもの』とせず、実際には赤黒い蛇が巻き付いたようなアザを隠していたんだとする所がとても良いと思います。ガケに落ちるかと思ったけど落ちなかったけど落とされたという様な感じですね。その一時の安堵が性癖の谷へ突き落す一手となっています。

 そして性癖紹介には書かれていませんが、題名にも書かれている『煙に巻く』というのも目々さんの性癖ですよね。ちゃんと正面から見るとしっかりは答えないキャラなのに、逆に深堀しないでおこうとしたら向こうから「そっちに逃げるな」と煙に巻く。とてもイイキャラです。花丸をあげましょう。

 又、これは目々さんの作品の特徴なのですが、家族ではなく『先輩』というある部分では深く繋がりがあるけれど、別のある部分では全く相手の事を知らない(今回だと勤務外の先輩の状況)をミステリアスな対象として性癖に数えているのが良く分かる作品にもなっています。こちらは後輩なので教えてもらう側であり、先輩が深く話してこなければスルーするつもりでいたのに自分にだけ秘密の一つを教えてくれたシチュエーション。そこまでの仲だと思っていたとしてもいなかったとしても美味しいですね。後輩よ、大いに悩め。その葛藤こそが白いご飯のおかずになる。


 一番槍という事で文章は短めですが、熟練の四コマ漫画の様に起承転結が良くできた性癖小説でした。特に転の部分がいいですね。

 まだまだ始まったばかりで残り二作投稿可能ですので、是非とも目々さんの他の作品もお待ちしています。

 すばらしい性癖小説をありがとうございました。

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