2.愛は人を変える/折原ひつじ

作品名:愛は人を変える

作者名:折原ひつじ

性癖:亡くした妻に操を立てながらも突然現れた生き写しの少女との交流で心を慰められる男やもめの権力者

性癖:自分の願いのためならなんだってして見せる猪突猛進純愛女

作品URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330656241756435


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 折原ひつじさんは初参加の方ですね。

 初参加なのに二番手で作品を投稿頂けるなんてとても嬉しいですね。主催者冥利に着きます。よろしくお願いします。


 題名にも書いてある通り、こちらの作品は『愛』によって今迄の自分を変化させた一人の男と一人の女の物語です。

 作品の概要で「これが俺のチーズハンバーグカレー(プリン付き)」と書かれていますが、中身は本当にその通りであり『チーズハンバーグカレー』と『プリン』というそれぞれが単独で主役を張っている物語で二人の物語では無いんですね。


 『亡くした妻に操を立てながらも突然現れた生き写しの少女との交流で心を慰められる男やもめの権力者』というのはその強固な心の揺れ動きを見るのがとても美しく、たまには器ごと揺すってわざと揺らしてあげたい上等なプリンなのでしょう。上に掛かっているカラメルの苦さよりも下側のプリンの甘さの部分の方が多いのがとても魅力的です。

 本人は操を立てているつもりなんでしょうが、実際は他の女性では満足できないという単純な理由なのでしょう。そんな甘々な性根なので顔が々『だけ』で中身は違う相手に簡単に癒されてしまうのです。しかし、操を立てると決めたからには最後まで新しい女性とは肉体関係は持たないかもしれません。プリンは揺れ動く物ですが、固めればカタラーナという強固なお菓子にもなるんです。そんな彼の心をどこまで解きほぐせれるかが彼女の手腕にかかっているでしょう。


 そして、『自分の願いのためならなんだってして見せる猪突猛進純愛女』というチーズハンバーグカレー女。いいですね。強引な力技を繰り返してここまでやってきたのだという自負を感じます。外見を変えるだけでも相当な苦労が必要なのに、次元の壁を越えてくるとかまともじゃないです。きっとチーズだけでもハンバーグだけでもカレーだけでも、どれも単独で他者を叩き潰せるぐらいの力を持っているのでしょう。それを三つとも合わせて相手が喜ぶ為だけに使用する。正しく純愛。愛が無いと成せない行為です。愛は人を変えるって凄いですよね。物理的に変えちゃってますもん。


 とても素晴らしい性癖をお持ち且つ、その性癖を作品で表現されている大変良い作品でした。

 初参加でこのようなレベルが高い作品を提出いただけるのは本当に嬉しいです。


 ただ、とても良かった作品だけに、『自分の願いのためならなんだってして見せる猪突猛進純愛女』という性癖にはまだまだ折原ひつじさんが込めた思いがあるのではないかと感じました。

 一見、この作品では彼女の願いは達成できたように思えますが、それはこの瞬間がピークであり、ここから先がどうなるかが全くの不明です。


 例えば時間が経つに連れて伯爵が彼女の内面を知り、やはり別人だと気付いてしまうとか。

 例えば伯爵が盲目的に彼女を元妻の生き写しだと信じてしまい、いつまでも彼女を見ないで元妻の事だけを見てしまうとか。

 例えば自分の事を元妻だと思い込んでしまう伯爵に対して、そんな簡単に騙されてしまう伯爵は理想の伯爵ではないと彼女が思ってしまうとか。


 今この状態がピークなだけに、後はここから転がり落ちる事しか無いのではないでしょうか?

 折原ひつじさんのこの作品からは、そういった『願いを叶えた後の事を考えていない』という不幸の前兆の様な狂気的なバランスを孕んだ性癖も込められているのではないかと感じます。

 もしかしたらその部分が『猪突猛進』にかかっているのかもしれませんが、この部分をもっと意識的に出せると、より一層性癖が深まるのではないかとも感じました。


 初参加頂いた方でまだ二作目なのに、とても良い作品でしたのでいきなり長々と語ってしまいました。

 ご参加ありがとうございました。これからもよい性癖ライフを!

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