第15話 演技派の3人

なんか、歩いてるだけで色々もらってしまった。

私たちは両手に数え切れそうにないほど食べ物をもらった。

「スターの人たらし」

マルコ、聞こえてるよ~。

「スター、誰か気に入った人はいないの?」

シリウスまで言ってるよ。

あ、あの人!!

「こんにちは!!」

服の裾を引っ張りにこりと笑う。

「ん、どうしたの。可愛らしいお嬢さん」

この人は、多分傭兵。

「私の大好きなマルコを守ってほしいの!!」

「……は?」

私は笑顔を保ったままお兄さんの性格を見抜く。

「実は、私生児っていうのでいじめられてるの。騎士様、マルコを守って!!」

多分、この人騎士に憧れてるはず。

「ちょ、ちょっとどういうことか聞いてもいい?」

ここで。

「スター!!」

ないす、シリウス!!

「人をこまらせちゃだめだろ」

私の両肩に手を置いて苦笑いするシリウス。

私たちって意外と演技上手いんだよねぇ。

「でも、それじゃマルコが!!」

「マルコ、な。我慢するしかないだろ」

私はそこで泣いた。

「ヤダヤダ!!」

シリウスは私を抱っこする。

「すみません、気にしないでください」

歩いていこうとするシリウス。

私は傭兵の人に向かって叫ぶ。

「このままじゃ、マルコはいなくなっちゃう!!!!」

深くフードをかぶったマルコとともにシリウスは走ってその場を離れた。

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