第12話 ここから

「ふん。卑しい身分にしては、素直じゃない」

あらら。照れてる。

「お姉さん、お姫様みたい!!」

「まぁ」

ここまでくれば、私の勝ち。

「ほら、おいで可愛い娘かわいいこ

私は嬉しそうに走ると継母に抱き着く。

顔は誰にも見えないはずだけど念のため純粋無垢な笑顔を保つ。

疲れるなぁ。

てか、私こんなキャラじゃないし。

「それじゃぁ、マルコ様は無事に帰れたようなので、我々はここで」

シリウスの言葉にわざと不満な声をあげる。

「い~や~だ~!!ずっとマルコ様といるの!!」

マルコに抱き着いて、離れまいとわざと目に涙を浮かべる。

「でもなぁ」

シリウスは困ったような顔をして、私を見つめる。

その瞳にはもっとやれって意味があるけど。

「お願い、お姉さん!!スターね、ずっとマルコ様と、シリウスと、3人一緒がいいの!!」

涙をこぼしながら、嗚咽をもらして。

床に横になって手足をばたつかあせる。

「ずっとずっと一緒がいいの。だから、スターたちを離さないでぇ」

わざと大きな声で泣けばこれで私たちなりのかけ。

「そこまでいうなら、そいつの侍女にでもしてあげるよ。男の方は執事でいいだろ」

ぶっきらぼうながらも、戸惑いの声。

ここまで、泣かれるとは思わなかったのだろう。

一気に涙を引っ込めばっと起き上がる。

「「やったぁ!!!」

ここは、シリウスも年相応の子供らしく。

マルコを巻き込んで3人で手をつないで笑った。

これなら、私たちの本心に気づかないでしょ?

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