第6話 一大事!!

笑いながら一通り火を消し終わる。

2人で顔を見合わせてもう一度笑ってから私とシリウスは男の子を見た。

助けた以上、無視するわけにはいかない。

「なぁ、家まで送るよ。ともかく、荷馬車に乗れ。スターも、魔法使って疲れたろ。荷馬車の中で休め」

私は頷くと荷馬車の中で横になる。

持ってきたコートを上にかけて。

シリウスは盗賊たちが戻る前に逃げたのとは反対方向に馬を走らせる。

ガタガタと揺れる荷馬車の中に私は心地よい揺れを感じながら、眠気がくる。




「スター!!盗賊が戻ってきた!!起きろ!!!!」

大きな声で目がパチリと覚め荷馬車から後ろを見る。

「結構、足速い」

私は自分がもつ魔力を最大限活かして、木に水しぶきを当てる。

めきめきと音をたてて倒れる木たち。

ついでに風魔法で風の刃を作る。

それを、盗賊の足めがけて放つ。

魔法を使うと動体視力が漠然とよくなる。

きっと、私の眼はアメジストのように光ってるはず。

結んでないスカイブルーの髪が風に揺れる。

「シリウス、足止めはしたけれど、数が多すぎて……。どうする?」

「スター、運転かわって」

慌ててシリウスから手綱を渡され、なるべく振り返らずにまっすぐ前を向いて走らせる。

「ファイアー!!!」

爆風で少し荷馬車が浮いた気がした。

「ねぇ、シリウス」

「殺してない」

うん、だよね。シリウスが人を殺すはずないもん。

きっと、あの時だって。

「シリウス」

「ただ、後ろに飛ばしただけ」

うん、だよね。

「スター、止まって」

シリウスは降りると何か作業を始めた。

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