第21話 攻める弟 受ける兄 ①
「オレを好きにしてくれ!」
そんな事を言い、半裸になった兄を見た僕は、ただ驚いてしまった。しかしその目は真剣だということがよくわかった。でも、理解には苦しむ。
「なんで、そんな事を」
「あのさ、オレいつもショウにさわってるけどさ、一方的じゃん、オレからばっかりで」
「確かにそうだけど」
「ショウは受け入れてくれて、すげーうれしいけど、もっとショウを感じたい」
そう言うと、僕の片手を取った。
「あと、ショウに手を出してきたやつらに、ショウから触ったりはしてないよな?」
「もちろん」
「だよな、だからやつらと差を付けたいし、オレの意思じゃない動きでショウを感じてみたい!」
いつもより口数が多く、この熱弁する真剣なリョウジの顔、こんな姿を見るのは初めてかもしれない。
これは理解してあげるしかないな。
「うん、なんとなくわかった」
「マジで」
「僕から触ればいいんだよね」
リョウジは片腕で目を隠して仰向けになり、僕の動きを待っていた。
僕はこわごわと近づいたものの、どこをどうしていいのかわからない。いきなり触れといわれても、どこからさわったらいいのかもわからなかった。
すると声が聞こえてきた。
「いつもさ、オレがショウにやってるみたいにやってみて」
「うん」
素直に、言う通りに。でもどうだったっけ。とりあえずリョウジの横に寄り添い、上半身に触れてみた。リョウジの裸を見るのは初めてではないけれども、やっぱり照れくさい。
けど、やはり自分とは違う肉体に惚れ惚れとしてしまう。これにさわっていいなんて。
腕にも触れてみた。木の幹のような太さに筋肉なのか、ところどころ隆起があるのがわかる。肌ざわりは良くないけど、これが男というもなのだろう。
「うん、、、」
リョウジが少し声を上げた。これはどのような反応なのだろう。もっと、ということなのだろうか。とりあえずもっと積極的に行くことにした。
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