第3話 先ずは説明的なことから

 私の名前は真田健一、青井学園に通う普通の高校二年生だ。この高校には母親が努めており化学の先生をしている。


 ある日、金属ナトリウムを爆発させて異世界からテレサ・リープが転生してきた。結果、テレサはうちに居候することになった。正確には居候で嫁にきた訳ではない。


 シルクのパンツを見たからとの理由で嫁になったらしいが誰も認めていない。


 しかし、母親はお嫁さんが来たと歓迎している。


また、父親は単身赴任で北海道に行っているし、姉貴は就職をきに独り暮らしだ。そして、今日から姉貴のお古の制服を着て初登校である。


「我は特待生だそ、庶民の学校など簡単にこなしてくれる」


 テレサは貴族の令嬢らしいが斬首の末に異世界転生の刑をくらったらしい。ほぼ問題児確定である。


 で……何故、隣に座る。


 今時の先生は問題児の臭いをかぎ分ける事ができるらしく。隣に座っていた冴えない男子は移動を命じられて、私の隣となったのだ。


 しかし、いい匂いがするな。黙っていれば可憐で上級女子だ。


 例えば英語の授業である。異世界転生のはずなのにすらすらと読み上げる。

確かに特待生だ。


 体育の授業の後である。


「健一、クラスの女子に恥ずかしい写真を撮られた」


 買って貰ったばかりのスマホに下着姿の写真が収められていた。もう、イジメに合っているのか。


 しかし、バストもたわわだな。弱音ハクの衣装で大体の見当はついたがここまでたわわとは。


 うむ、シルクのパンツもエロいのであった。


「クラスの女子に『この肉体美に敵う者はいないだろ』と言ったら撮られたのだ」


 自分から原因を作ったのか。まさに悪役令嬢である。


「とにかく、担任に相談しておく」

「頼んだぞ」


 やれやれ、面倒臭い令嬢さんだ。


***


 昼休み、テレサが机に向かい寝ている。流石に慣れない環境で疲れたのか。

私が温かい目線で見ていると。


「良いではないか、良いではないか」


 どんな夢を見ているのだ。小首を傾げていると。


「熱い、×××が、燃えるようだ」


 放送できない事を寝言で言うな!


 私は急いでテレサを起こす。


「ぱぁ、夢か……」


 どんな夢か聞くか迷ったが、テレサはベラベラと夢の内容を話し始める。


「×××……」


 だから、放送できない事を言うな。どれだけエロいのだこの令嬢は。


「新婚初夜の為に勉強したのだ」


 可愛らしく首を傾けるがあざとさが増す。いや、本当に知らないのかもしれない。悪役とは言え令嬢だ。その辺は厳しく育てられた可能性が高い。


「何処で勉強したのだ?」

「ネットで調べた」


 うむ……。


 ネットが使える環境になって一度は試したくなることだ。これは本当に新婚初夜かもしれない。


「どうした?動きが突然カタコトになったぞ」

「何でもない、ただの肩こりだ」

「我が揉んでやろうか?」


 いや、いや、いや……。


 ダメだ、完全に動揺している。


「遠慮するな」


 テレサが無理に態勢を変えた為に二人で椅子から転んでしまった。


『むにゅ』


 柔らかい、これはテレサの胸だ。


 丁度、バストに手のひらが行き揉んでしまった。落ち着け、ここは教室だ。私は冷静さを装って立ち上がる。


 テレサは茹でダコの様に顔が赤い。


 私は今から死ぬかもしれない。そんな想いがしていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る