第21話
警部補は施設を閉鎖に追い込もうと働きかけたが、国がそれを認めなかった。毎年莫大な予算が組まれ、失敗は許されない、後戻りできないほどの税金が使われている加速器は、国が守るべき最重要事項の一つだった。政府が事件とは関係性がないと判断し、研究者たちはこれまで通り仕事を続けた。異次元の話をした研究者は警部補にヒッグス粒子など全ての物質、ここでは全ての素粒子のことだか、それらには働きかた、例えば進み方や消え方に法則があり、被害者たちの襲われた法則を見つけることが事件を解く鍵だと話す。これはもちろん罠である。研究者たちはみな、Aの家族に同情していた。息子への底なしの愛が本物であるから提供者になってもらった。初めは実験のためだけの関係性だったが、想いが結果として現れた頃にはその場にいた全員が、Aと夫の、味方になっていた。
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