第20話
夫はどうにかAだけでも釈放してもらおうと、正直に自分の少年たちへの殺意が神経伝達物質にあり、それが加速器にかけられて、ヒッグス粒子という形で現れ、人を襲っているのかもしれないと警察に話した。話が理解されなかったことは言うまでもない。警察は加速器の実験施設にも捜査の手を伸ばしたが、研究者たちの話もまるでわからない。そのヒッグスなんとかに意志があっても、目に見えないほどの小ささで一体何ができるというのだと、その場に来ていたあの警部補が問いただす。本来、ヒッグス粒子は衝突後、すぐに崩壊し、別の粒子という形に変化するか消滅するが、研究者の中にはなくなったヒッグス粒子は異次元へ移動したと考えているものもいる。異次元の世界では大きいか小さいかなんて取るに足らないことですよ、そう研究者の一人が警部補に説明した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます