第8話
Aは必死に協力するよう説得したが夫は首を縦に振らなかった。実験に対して批判的なのかと思ったらそうではなかったようだ。自分の神経伝達物質に問題を抱えていると思っているのが原因だった。夫が息子の死についてその時一番に感じていたものは、怒り。そして、その先には、ある2人の少年たちへの殺意があった。先ほど、息子を失っていたと言ったが正確には奪われたという表現が正しい。
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