第7話

 研究者たちはどちらかと言うとAの重みの話のほうに興味を引かれていた。実際に自分たちの目で見える放射線の不思議な反応より、Aにインタビューして確認していくしかないものが大事だったのだ。ただし初めのやり方、つまりAの粒子αを2つずつ衝突させる方法では肝心のヒッグス粒子は検出されなかった。実験を続けていっても、変化はない。改善策は分かっていた。Aの夫からも粒子αを提供してもらうことだ。

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