第31話 再び、冒険者ギルド
ジオンは帰り道ダッキにこれからを聞いた。
「俺達は2週間程、
今から宿屋に帰って、明日の朝一で案内人を募集するつもりだ、その段取りは俺が1人でするし、
皆は明日一日休んで、明後日からダンジョン探索の食糧や装備の段取りに入る。
色々経費差っ引いて、金貨50枚が君達の取り分だ」
ダッキの目の前で袋を取り出し、歩きながら数えだした。
「こんな大金貰えないょ、巻き込んだのは私じゃないか」
「俺が仕留めきれていなかった。
お前たちに迷惑をかけたと思っている。
エルザにも呪い小屋で貰った服なんか着せてないで、綺麗な服でも買ってあげな。
恋人なんだろう。
借金とかあれば身綺麗にしたらいい。
残れば宿り木が見つかるまでの、旅の路銀にしたらいい」
「ありがとう。
もらっておくょ。
でもジオン。私はアンタの手伝いを純粋にしたいんだ。
私も迷宮探索について行きたい」
「パートナーは俺のこと大分嫌っているぞ」
「説得する。
ドライアドなんてネンネじゃないんだ。
男と寝るのに抵抗はないょ」
金貨を渡した。
「百合に挟まれたがる男か、
ロマンだけど、馬に蹴られて死にそうだな。
迷宮探索は来る方向で食糧とか段取りするょ。
身辺整理がすんだらここに」自分達が宿泊してる宿屋を親指で指差した「移動しておいで」
ダッキとエルザは一礼して別れた。
宿屋に着いてジオンとルナ、メリルとチムチムにそれぞれ別れた。
ジオンもルナもベッドに横になる。
生命のやりとりしたあといささか高ぶって眠れなかった。
チムナターは実験体だけど、後何年くらい生きれるだろう。
東洋哲学に寿命は天が授ける物だから、長短を憂えずより良く生きろとある。
「ルナ、起きてるか?」
「どうしたニャン」
「袋猫の寿命って、幾つぐらいだ?」
「30年程、人間より短いニャン。
僕もあと10年程でお迎えが来るニャン」
「人生の意味とか考えるのか」
「戦争で負けて奴隷生活長かったから、何のために生まれてきたのかと嘆いてきたことはあるニャン。
でも普通の人は生きるのに精一杯で生きる理由なんて考えないニャン」
人は運命を生きるしかない。
自らの労働の対価である日々の糧さえ、女神ソフィアの恵みとして感謝を捧げる。
多くの者が
人としての生き方や道など考えだした。
生きる為の哲学。
だが自由人として生きる、リベラルアーツ「自由7科」(文法、修辞、弁証、算術、幾何、天文、音楽)など有産階級の道楽でしかない。
思いに耽るとルナのいびきが聞こえだす。
良く寝て、良く食べ、良く働き、よく遊ぶ。
ルナの方が人生の達人だな。
朝、案内人の募集の為冒険者ギルドに向かう。
この間の受付嬢が立っていた。
「おはよう御座いますジオン様。
王族だったんですね。
何か失礼はありませんでした?」
「もう首になったから気にしなくていい、普通に接してくれ、仮に王族だとしてもここまで権威は及ばない,
それより仕事の依頼だ」
貼り付ける紙をとりだした。
各種用途に合わせた紙が流通していた。
「変に嘘をついても逃げられたら困るから宝石のついた幻獣に会いたい。
そして暗黒魔導士がパーティーにいる。
白魔法使いも金額によっては目をつぶる事は多々あると聞く、「見敵必殺」の制約をとってない限り「神の道に帰りなさい」穏健に説得する方が多数派だときいている。
ギルドの方で人間を選抜してくれ。
争いをおこせば切るとも書いてくれ。
目安は一日金貨3枚、2週間ほどもぐる。別途で幻獣と遭遇したら危険手当はだすょ」
受付嬢に提出した。
「ギルドは一日銅貨5枚で受付ます。
人が募集を受けたら面接日時を伝書鳩で連絡します」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます