第20話 過去2
皆が戦う段取りを済ませた。
メリルがマルスの意思を問えば「アッシも連れて行ってください。仲間はずれなんて寂しい事は言わないで下さい」
カバンをマルスに載せ替えた。
ダッキの案内でついて行く。
「ヘクトル将軍って、どんな人だったの?」
メリルがマルスに聞いた。
「しゃべらせていいの?」
ダッキがジオンに聞いた。
「ああ、構わない。どうせばれる事だし、自分の口から話のは恥ずかしい。
それに」
「それに?」
「嘘をつく」
ダッキがクスリと笑った。
「お許しが出たんで話ますけど、
半身半馬の伝説の戦士。
旧教側はセントールやケンタウロスと神話の話しをして恐れてました。
未だどういう魔法原理で融合を果たしたか分かっておりません。
残酷な男でジオン様が可愛いがっておられた金髪碧眼の双子の童男娼の片割れを誘拐してなぶり物にした、憎むべき敵です」
「男娼って」
「旧教の
天使達も知ってはいましたが、ジオン様が怖くて誰も糾弾しませんでした。
元々は妹姫王アルテシア様のスパイというか監視役、女スパイを忍ばせていたがアルテシア様を裏切ってジオン様を擁立して自らは女王になるという身に過ぎた野心を抱いたのに懲りた。
女はダメだと思っていた所でジオン様からアルテシア様の一人息子スピカが10才になったから戦場を経験させたいと打診した所、2人の双子の美少年を送ってきた。
国中の奴隷から選抜されただけあって、聡明で片方は名をアベル魔術を使い、もう片方はカイン剣技に優れ、娼技も叩き込まれていました。子供も産みませんし。
ジオン様は将来はサルディーラの軍師や参謀にしようと大変可愛いがっておられました。
嫉妬にかられた女将軍の裏切りにあい、カインは捕らえられ、下半身が馬のヘクトル将軍に
ヘクトル将軍が下半身が馬でも人間の女を好んでいましたから、奴隷戦士のそこのダッキさんも例外ではないでしょう。
ジオン様はこれ以上苦痛と辱めを受けないよう、当時最新鋭の線条痕のついたライフルで、自らの手で眉間を撃ち抜いて殺しました。
女将軍は解任して国へ返しました。
元々貴族だったので、奴隷1人の命と秤にかけれる物でもなく『ジオン将軍、私はあなたを王に』と嘆きながら立ち去りました。
ヘクトル将軍は乱戦の中死に、首はジオン様の前に差し出されました。
支配の指輪から開放されると女奴隷戦士団はことごとく降伏してきて、ジオン様は受け入れました。しばらくは軍に編入しましたが戦争が終われば自由身分にしました。
その中にダッキさんもいましたょ」
「アベルさんはどうなったの」
「奴隷は開放されないと選択権はありません。
スピカ様の教育係になり、そばに仕えておいでです」
チムチムがシナを作りながら
「ジオン、言ってくれれば、我ならお尻の穴もOKゾナ」
クシャクシャと頭を撫でた。
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