第8話 |精霊世界《アウタープレーン》
「ここから先は異世界じゃ、お主の父親も
上級構成精霊を中心とした秩序が出来上がっておる。
異次元からもエネルギーを吸収して、部下である精霊を作っておる」
「上級構成精霊なら、他の世界に来なくても、惑星にはいるだろうし、
「地上で秩序を作っているのは
「?」
「各地で言い方が違う。
大地の上級精霊は大地母神、マーファ、ノルン、ディーバと呼ばれ、風の上級精霊はジィン、風神、雷神と呼ばれ、水の上級精霊はクラーケン、ニンフと呼ばれ、火の上級精霊はイフリート、フェニックスと呼ばれ男を見ると美女に化けて交おうてエネルギーを吸収する」
「何か問題でも?
エネルギーを吸い取られた男は死ぬとか」
「そうなんじゃが相当気持ちいいらしく、後をたたない。
婆は男の弟子は取らないようにしている」
「だったら誘うなょ」
「お主が断ることは分かっておったから、ただの社交辞令じゃ。
上級構成精霊の身体にエネルギーが溜まると災害を産む。
火の上級構成精霊はボルケーノを産み、各地で山火事や噴火を起こし寒冷化。
水の上級構成精霊はリヴァイアサンを産み、各地で大渦、大雨、洪水を巻き起こす。
大地の上級構成精霊はアースクウェィクを産み、各地で地震や山崩れや津波を起こす
大気の上級構成精霊はテュポーンを産み、各地で暴風や竜巻を産む。
女の場合は逆にエネルギーを受け取るから、懐妊じゃ、魂の変わりに精霊が入る。
種の精霊の召喚や支配を無詠唱で行えるが、人に比べると悲しい程知恵がない。
精の影響で白痴美という美しさを誇っているが」
「親父の愛人にそんなのが1人いたなぁ。
しょっちゅう熱だしていた。
初期改造人間かなんか言っていた」
「さぁ、水の
高台のある原野に
先程のような輝きも、温かさもなく。
暗い梅雨の様にジメジメしている。
夜で明かりもないのに遠くまで見える。
ジオンはこれだけの数がいるのに補給とかどうなっているんだろうと思った。
「その辺の1匹、かっさらう訳いかないの?」
「婆は、長い付き合いなんじゃ、そんな野蛮な事できるか!
彼女らは道を譲ってくれた。
水の玉になって顔に張り付いたり、頭を覆ったり、大きいのになると丸呑みして溺死させる。
魂になって、エネルギーの撃ち合いになれば、これだけの数、一瞬で消し飛ぶだろう。
メリンダに促されて歩いた。
「この数はなんだ」
「精霊王のオーラを浴びただけで彼女らは癒される。
争いのない世界などない。
人3人寄らば派閥ができ、それ以上集まれば諍いがおこる。
彼女らも彼女達の事情でエネルギーの奪い合いをしておる。
戦闘で物を言うのは頭数じゃて」
2人は割れた道を歩いた。
向こうから薄い半透明な服を着た、これまた半透明の美女が、ゆっくりと優雅に大きな石階段を少し浮いたまま降りてくる。
「アンタと似たような服を着ているが、こっちの世界では流行なのかい?」
「ここではエーテル体で造るのが手っ取り早い。
お主、気に入られたのう。
不定形なクラゲの姿はしておらん。
お主の
精霊王は近付いてきていきなりジオンに抱きついてきた。
ジオンは「
「メリンダ、
さあ、愛の交感をおこなおうぞ」
振り払い、抱きついて、頬擦りしてくる。
「そのものは供物ではございません。
この者はジオン。
以後お見知りおきを」
少し意識と魂の色と波動を見た。
「そうか、ジオン。
気に入ったぞ、早速リヴァイアサンを作ろう」
服らしきものが精霊王の意思で消える。
「少しの間、目をつぶって待っていてやるから、はょすませ。
少しエネルギーを失うだけじゃ。
殺されはせん」
腕が元のクラゲの吸盤に変化し、絡まらせ少しずつエネルギーを吸収する。
「アホなこと言ってないで、早く助けろ」
押し倒されながらも顔を背けるジオン。
「
その者は寵愛を受けるに、まだ心の準備ができておりません。
次回連れてくる時は言い聞かせますんで、今のところはご勘弁ください」
「やれやれ、面倒くさい奴ぞ」
ジオンを解放した。
元の服をメリンダが戻す。
「
「左様で」
「誰か
精霊王が声をあげると、沢山の
それは精霊達にとっても名誉な事なのだ。
「余りデカいと籠に入りきれないが」
「その時は向こうで小分けする。
今は
手の平に一体掬い上げる。
「お前は賢いから道が分かるじゃろうて」
「ジオン殿が夢を見ている時に、無意識の回廊を渡り、意識を妾の下に連れてまいれ」
手の平の
「逃げられんのか、無意識とは寝てる時か」
「ギャーギャー騒ぐでない。
『集合的無意識』のことじゃ、誰もが持つ『無意識』によって人生の意味や生き方、幸福感、理想の美を感じとる。
精霊は籠に入れて仕舞えば手出しはできない。
お前からも
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