第102話 ルー
リビングでまったりしている。横にはガンプが寝ているし、四人はそれぞれ別のことをしている。
「えっ!」
ニュース速報では富士山が、形を変えて塔になっていっている。
そこからモンスターが溢れて来ていて近隣の冒険者達や自衛隊が活動しているらしい。
「はぁ、もうちょっと時間が欲しかったな」
俺はルーのところに飛んだ。
「ルー、バベルが出来たよ」
「あー、早かったね」
ルーはやはり何か知っているようだった。
「地球はおしまい、あんた達もルナディアに移りなさい」
「は?なんでそんなことに?」
「バベルが成長したからでしょ?」
「こっちのバベルは?」
ルナディアにもバベルは存在する。
「私達魔女が攻略したから大丈夫よ」
四人の魔女でなんとかバベルを攻略したそうだ。
「まてまて、どうして地球がおしまいなんだ?」
「そりゃあたしがダンジョンを転移させたからさ、ダンジョンは根を張り育っていくもんさね。あたしはダンジョンの研究もしていたのさ」
「なんでこんなことしたんだ?」
「コタロー、私は全て決めるのが好きなのさ、コーヒーは砂人、タバコはハッピーキャラメル」
タバコをふかしてそう言う。
「あぁ。そう言えばお使いさせられたなぁ」
「フフッそうだろ?」
「でもなんで地球なんだ?」
「そりゃ決めたからさ、ルナディアより十倍で進む世界でバベルをそのままにしたらどうなるかをね。でバベルは予想以上に早く成長した」
ルナディアとの時差で最終的にどうなるのかを見たかったわけか。
「でも地球の滅亡なんてみたくないんだろ?」
俺は席を立つ。
「あぁ、見たくないからコタローを鍛えたのさ。それも無駄だったみたいだけどね」
ルーも席を立つ。
「それはどうかな?」
「あたしに勝てるつもりかい?」
外に出る。笑みを溢すルーは余裕そうだ。
「あんたいい男になったわね」
ルーはそう言うと杖を持ち上げる。
「ルーはいつまでも若いままだけどな」
俺も剣を抜く。
「さぁ、久しぶりに揉んでやろうかね」
「あぁ、久しぶりすぎてビックリしちまうんじゃねぇか?」
数上打ち合うと息も切らさず杖で突いてくる。それをすべて避けるように身体を動かして斬り込む。
「やるじゃないか」
「まーね、これでも地球じゃ敵無しだぜ」
懐に掻い潜り下から斬りあげる。
「おぉ、怖い怖い」
「避けといてよくいうぜ」
「魔法はどうなんだい『アイスバーン』」
「『アイスバーン』これくらいなら相殺できるようになったよ」
氷の粒がキラキラと周りを舞っている。
「やるわね」
「まーね、もう三歳児じゃないんでな」
「『クロノ・ロブ』」
「『クロノ・ロブ』」
二人の時間が止まる。
「はぁ、教えるんじゃなかったよ」
「クロノス・ルーは俺になんでも教えたからな」
二人の時が動き出す。
「『クロノ・ファスト』」
「『クロノ・ファスト』」
二人が見えなくなる。時が早く動き二人が見えない、
「まだついてこれるの?」
「まだまだいけるぞ?」
「やーめた、これじゃつまらないわ」
ルーは攻撃をやめてしまった。
ルーは時魔法を使うと歳をとる。俺は自分の魔力で使える。
「やめてくれて良かった、殺さないといけないとこだ」
「また物騒な、殺す気なんてないくせに」
「いちおう育ての親だからな」
「童貞はもらってないけどね」
「は?」
「言ったかしら?童貞貰ったって?」
「いまさらかよ」
二人はズタボロの服で立っている。
「で?どうするの?」
「何年かかってもバベルを攻略するよ」
「手伝おうか?」
「それも遠慮する。俺は戦闘狂らしいからな」
笑いながらボロボロの服を脱いで抱き合う。
「また戻っておいで」
「まだ童貞だしな」
「そのときは貰ってあげる」
「やなこった」
ルーから貰った真新しい装備に身を包み地球に帰る。
「死なないでおくれよ」
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