第101話 ブレイク


 地球上に何故ダンジョンが出現したのか?前からあったとルーは言っていたが、俺がいなくなってから出来たみたいでなにか要因があるのではないかと思う。

 あとは数の多さ、一県に二つか三つあるのはどう考えても多すぎる。

 これが転移の影響だったらやはり無くして行かないといけないように思う。


「ルー、こっちはダンジョンの数が少ないが何故なんだ?」

「そりゃバベルを攻略したからさ」

 まだ日本にはいや、地球にはバベルが無い。

「バベルってのはどう言うもんなんだ?」

「ダンジョンの親って表現がピッタリかね」

「ダンジョンの親父か」

 なら親ができてから子ができるような気がするが、

「四人でダンジョン攻略したのが懐かしいさね」

 遠い目をするルー。

「四人って魔女四人か?凄いな」

「まぁ、また別の話さね」

「んで?地球にもバベルが出来るのか?」

 話を戻す。

「たぶんできると思う」

「マジかぁ」

 それまでに強くなっておかないとな。

「私に勝てないひよっこがバベルを攻略するなんて考えはよした方がいいさね」

「まぁな、そのうち追い越してみせるさ」

 美魔女に負けたままじゃカッコつかないからな。一応師匠だし。

「期待せずに待ってるさね」

「言ってろ」


 ルーのところから加藤さんのいる駐屯地まで転移する。

「やぁ今日はどうしたんだい?」

「これを渡しておきたくて」

 スキル封じの腕輪を渡す。

「これは?」

「スキル封じの腕輪ですよ。犯罪者なんかに使ってください。どうですか?スキルは」

「使えないな。アイテムボックス持ちも?」

「触れるとスキルが封じられるのでアイテムボックスの中身も出て来るそうですよ」

「本当か!すごいな」

「でいま俺がつけてるのが専用の革手袋です。これをつけてれば触れますよ」

 革手袋とスキル封じの腕輪をゴッソリ出す。

「とりあえずはこれだけです」

「これだけあればとりあえずは大丈夫だ」

「まぁ、上手いこと使ってくださいよ。全然足りないようならまた言って下さい」

 ルナディアで入手してくるだけだけど。



 聖玉が海外にあまり無いこともあり犯罪件数は増えてはいない。けど、悪い事考える奴はいてアイテムボックス持ちにATMを盗ませるような奴が出た。すぐに捕まったようだが。早めに対策しておいてよかった。


 家に帰ると四人で話をしていた。

「ねぇ、小太郎?ダンジョンブレイクってやっぱりあるのかしら?」

 マリアが聞いて来た。

「ないとはいいきれないかな?上級ダンジョンを攻略してないと中のモンスターが増えてるだろ?」

 あれが溢れると手がつけられない。

「それは分かるけど、私達や自衛隊では手が回らないとこも出て来てるわよ」

 そりゃこんだけダンジョンがあれば手が回らないところだって出て来るだろ。

「いや、やることはやってるからなんとかして欲しいところだな」

「みんな危機感が薄いのよ」

「ダンジョンブレイクしたら大変ですよ?」

 そのための聖玉や冒険者を増やしてるんだ。

「俺たちだけじゃ無理だろ?」

「わかっていますけど」

 マリアは黙ってしまう。

「はぁ、いまブレイクの兆候のあるダンジョンを手分けして攻略しようか」

「はい!」

 上級までならユフィとルージュ、マリアとリア、そして俺の三チームできる。

 地図を広げ各々が行く場所を決めていく。


「決して無理しないようにな!無理そうなら俺がいくから」

「うん」

「「はい」」

「わかりましたわ」


 数的にもおれが一番多い、けどこれでなんとかなるならいいが、日本だけだ。

 海外にも早く聖玉を普及しないとな。


 それから三か月は俺たち三チームは動き回った。なんとかなったのも自衛隊や北条家が動いてくれたからだ。


 家に帰り着くとヘトヘトになっている。

 リビングに座るとガンプが横で寝ている。そんな時ニュース速報が流れてきた。

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