第73話 豊田ダンジョン3
「じゃあいってくるな!」
手を挙げてマリアに言う。
「頑張って下さいませ!」
マリアは昨日渡したものを装備している。いつのまにか赤竜の皮も鎧になっていた。徹夜で作ってもらったのか?
「さぁて、極ダンジョン攻略だ!」
豊田ダンジョン百八十階層
「さすがに疲れるな、こいつもデカすぎなんだよ」
倒れている赤い巨人が消えていく。
ドロップ品は巨人の皮、角。あとは魔生石。今日本で魔生石エネルギーが発見され、高値で取引されている。この大きさなら幾らぐらい値が付くのだろうか?まぁ、売る気はないけどね。
すこし休憩して、次の階層に進む。
あと二十階層。
豊田ダンジョン百九十階層
ピボット……小さな身体だが、スピード、パワーともに強く、好戦的。
「はぁ、鑑定さんもうちょっと頑張ってよ」
「うおっ!」
猛スピードで飛んでくるピボットを避けると背後の壁が凹んでいる。
「がぁー、小さい方がやりにくいだろ!」
“ビュンッ”
足を貫かれ、肩を削られる。
「この。『グラビティ』」
自分ごとグラビティをかけるとピボットは倒れ込む。
「てめぇは泣いてもゆるさねぇからな!」
アスカロンを刺してトドメを刺す。
「『ヒール』『ヒール』『ヒール』」
イッテェ、なんとか治って良かったけど抉られるとかまじきちぃ!
ドロップ品は倍速の指輪に瞬歩のブーツ、魔生石。宝箱には『幸運のネックレス』と『エリクサー』が入っていた。
エリクサーってあのエリクサーだよな。死蔵してしまいそうだ。
豊田ダンジョン二百階層。
ついにここまで来た。
オールメルキ……鬼の一種、鬼の頂点とも言われる。
「だから鑑定さんは仕事しろ!」
『ウガァアァ』
「十メートルはあるぞ!」
当たると砕け散るので避けるの一択!
鉄なのか鉄以上のものなのかわからないが棍棒を振り回して襲ってくる!まぁ、アスカロンもクラウソラスも皮膚が硬くて斬れない!
「どーやって倒すんだよ!」
「『グラビティ』」
すこしだけ遅くなったが全然聞いてないのと変わらない!
『ジャッジメント』雷の最大魔法だ!
効いたのか黒く焦げている。
とりあえず最大魔法を撃ちまくるとようやく膝をついた。
瞬歩で首を刎ねるが、剣が持たない。
「カッテェ!『断罪』」
闇魔法の最大魔法をクビに掛けると漸く首が落ちる。ドロップ品は皮に牙、角、アダマンタイトの棍棒。宝箱からは『生命の宝珠』と『羽馬斬り』と言う刀が入っていた。
“ゴゴゴゴゴ”という地響きが鳴り響き、俺は転移陣で外に出る。
「やりましたのね!」
マリアが寄ってくる。
「あぁ。あとは任せたぞ」
「分かりました」
あとはマリアが上手いことやってくれればいい。
『転移』
俺は今家の中でビールを飲みながら三人でテレビを見ている。
「マリア・北条さん、今の気持ちは」
赤い鎧がよく似合ってるな。
「さぁ、言い表せないわね」
だろうな。
それにしてもマリアはテレビに映えるな。
「これからもダンジョンを無くしていくと言うことでしょうか」
「いまはなんとも言えないわ、でも豊田ダンジョンは強くなりすぎていた。ブレイク前に消滅できて良かったわ」
ほう。なかなかいいコメントじゃないか!
「現場からは以上です」
「コタローがやったのに良かったの?」
「おう!俺は目立ちたくなかったから良かったんだ」
「あのマリアって子も結構やるわね」
「だって俺が戦い方教えたし」
上級くらいならなんとかなるんじゃないか?
「最近帰ってくるのが遅かったです」
「まさか」
おい!そんな暇あるわけないし、
「んなわけないだろ!俺はユフィとルージュ一筋?二筋だし。疲れて帰って来てただろ?」
ソファーの上で暴れる二人を宥めて、また一緒にまったり寛ぐ。
「でもよかった。マリアが強くなってくれて日本じゃ一位なんじゃないか?」
「コタローが一位でしょ?」
「ほかにもいるかもよ?昔からやってる人とか」
「まぁ俺は目立ちたくないから一位はマリアでいいの」
「そういうもんなの?」
「そういうもんだよー」
スマホが鳴っているのに気づきとってみると三原さんだ。
「どうした?」
「放送見ました?マリア・北条が豊田ダンジョンを攻略して無くしたの」
「みたよー、てか無くしたのは俺だけどね」
「やっぱり。ダンジョンってなくせるんですね」
「かなり厳しいと思うよ?特級からさらに上の極ダンジョンを攻略しないといけないから」
「小太郎さんでも」
「なんとか大丈夫だけどキツいのは変わらないかな?」
「なら私達だとまだ無理ですね」
「そうそう、ちゃんと実力つけて行かないとね」
「マリア・北条はどうしたんですか?」
「知り合いだったのと、目立ちたくなかったからお願いした」
「あぁ。今後マリア・北条はすごい人気になりますよね?」
「いいんじゃない?あの性格だしね」
「そうですかね?フォローはしといた方がいいと思いますよ」
「あぁ、上級くらいなら行けると思うから大丈夫だと思うけどフォローしとくわ」
「そうですか。また近いうちに一緒にダンジョンいきましょうね」
「了解です」
「では」
「はーい」
「だれ?他の女?」
ユフィの顔が怖い。
「三原さんだよ?マリアのことで電話があったんだよ」
「なーんだ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます