第72話 マリア・北条
マリア事件から一週間、俺は豊田ダンジョンには入り、一応間引きをしている。ブレイク起こされたらこまるからな。て言うかもう極まであげて無くしてしまった方がいい気がする。
よし、豊田ダンジョンを無くしてしまおう!
「ようマリア、赤い素材が欲しくないか?」
「え?ありますの?欲しいです!」
「なら豊田ダンジョンに取りに来い」
「え?またあそこですの?」
「来るのか来ないのか?」
「い、いきますわ!」
「ヨシ!んじゃ、ちゃんと装備はしてから来いよ」
これで準備万端だ。
「よし来たな!」
「来るように言ったのは小太郎ではなくて?」
「そんじゃ入るぞ」
「え?わたしでは歯が立たないですが」
「俺の後をついてくればいい」
「なんですのそれは!」
「嫌ならいいんだが」
「やるわよ!やります!」
豊田ダンジョン一階層から走り回り敵を倒していく。ドロップ品はマリアに任せてある。
「ちょっ!ちょっと速すぎますわ!
「ついてこいよ!」
「ドロップが多すぎて袋が足りませんの!」
仕方がないのでマジックバックを貸してやった。
「これでついてこれるな!」
「すこし遅くてもよろしくてよ」
「あっそ!」
三十階層で飯にしてドロップ品を回収する。
「このバックいいですわね、買い取りますわよ?」
「だれが売るかよ」
「売って下さい」
「やだね!そろそろつぎいくぞ!」
「ねぇ、もうちょっと休んでからでも」
「いくぞ!」
つぎは六十階層が目標だ。
「多いですの!ドロップ品が多すぎですの!」
「泣き言言ってる暇があれば一つでもドロップを取れよ!」
「鬼ですの!悪魔ですの!」
六十階層に着いた頃にはベソかいてるマリアにクレープを渡して元気を出させる。
「レベルも上がってるはずだ、これもマリアのためだろ?」
「はい、がんばりますの」
「よし、いい子だ」
次は九十階層を目標に今日は帰る。
「明日も朝からだからな」
「はいですの!」
「マジックバックはこれが終わったらやるから頑張れよ」
「は、はいですの!」
ちょろいぜ!
「ほら足が止まってるぞ!」
「はい!」
「そんなんじゃ敵に囲まれる」
「はい!」
少しは強くしないといけないから戦い方を教えている。レベルだけあげてもしょうがないからな。
「後ろも気をつけろ」
「はい!」
九十階層にようやく着いたのは夕方だ。やはり教えながらは大変だった。
「つぎは明日だ」
「今日はクレープはありませんの?」
「あぁ、ほれ」
「あぁ、甘い物は欠かせませんわね」
「なら自分で買ってこいよ」
「これは頑張ったご褒美ですから!」
「そんなもんかね」
「そうですの!」
次の日は百五十階のボスを目標だ。
「いくぞマリア!」
「はいですの!」
ようやく動けるようになって来たマリアにドロップ品をまかせて俺はひたすらモンスターを斬る。
「大丈夫か?」
「はい!大丈夫ですの!」
なんとか今日中に百四十九階層まで来た。
「はあ、はあ、まだ行けるか?」
「後ろで守りを固めておけばいいんですよね」
「そうだ。けっして前に出てくるんじゃないぞ」
「わかりましたわ」
豊田ダンジョン 百五十階層
バフォメット……顔はヤギ、頭に角が四本あり翼が生えた人間のような体をしている。
「『グラビティ』&『サンダーボルト』」
グラビティで動けなくしてサンダーボルトで感電狙いだが、それを避けられる。『ダークボール』を投げられるが、避けるとマリアに当たってしまうので自分からあたりに行く。
「ぐあっ!たぁ!」
ダークボールをアスカロンで斬ってバフォメットに肉薄すると逃げようとするので至近距離でグラビティをかますと下にへばりつく。あとはアスカロンで首を斬った。
「よし!明日からが本番だ!」
ドロップ品を拾うマリアが呆けている。
俺はさっさと宝箱を開けると『マジックバック(腕輪型)』『グランディウス』と言う剣が入っていた。“ゴゴゴゴゴ”と地響きがなる。
「マリア、明日はここで待っていてくれ」
「は?着いて行かなくてもいいのですか?」
「こっからはマジで危ないからな」
「それでは明日は」
「そう、足手纏いだから置いていく。だが、俺は目立ちたくないので全部マリアがやったこととする」
「それはいくらなんでも!」
「これは強くなったらだれでもできることだ、マリアがここまできたらいいだけの話だ」
「私にそこまで出来るでしょうか?」
「俺も協力したろ?まだまだ冒険者やるんだからつよくなるって!」
「でも」
「じゃあ、百五十階層までクリアしたら無くなったって言ってくれればいい」
「無くなるのですの?」
「あぁ、二百階層まで攻略するとダンジョンはなくなる。だから強くなりすぎたダンジョンは無くさないとブレイクしたら被害が大きくなるからな」
「は、はい!わかりました。それでは明日は百五十階層で待ってますので」
「それと、これをやる。いま宝箱から出て来たのだがマジックバックの腕輪型とグランディウスと言う剣だ。あとは赤竜の皮。明日は朝以外で会うことはないと思うから今のうちに渡しておくな!」
「は、は、はい」
「泣くなよ。ちゃんと、二百階層まで攻略してくるから、地響きがなったらちゃんと退避しろよ?」
「はい!」
あとは二百階層まで突っ走るだけだな!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます