第74話 マリア改造


 豊田ダンジョンはなくなった。ギルドはまだあるらしい。

「いやぁ、マリアには頑張ってもらったな」

「そうですわよ!私頑張りましたわよ」

「そうだな!んじゃ!」

「待ちなさい!これ以上はないんでしょうね?」

 仁王立ちのマリアは鎧も着ているので威圧感がすごい。

「大丈夫。何もないから」

「ならちょっと付き合いなさいよ」

「え?どこに?」

「どこでもいいでしょ」

「よくないでしょ」

「い、いいから付き合いなさいよ!」

「分かった分かった」

 しょうがないから付き合ってやるか。


 何故着替えるんだ?待つ時間がもったいないのに。

「またせたわね!」

普通のワンピース?お高いんだろうな。

「めっちゃ待った」

「そこは待ってないっていうのよ」

「だって待ったし」

「もう!いいからいくわよ!」

 車に乗って向かうのは?どこ?拉致られる?

「小太郎は元がいいんだからちゃんとした格好をしなさいよ!」

 連れてこられたのは美容室?

「一回切ったっきりだった。ここ予約は?」

「してあるわよ!さてどんなふうにしようかしら」

「あれ?俺の意見はなし?」

 髪を洗われてる間になにか喋っている。まぁ、いいか、おまかせだ。


「サッパリしたわね!」

「なんからスースーする」 

「いいの!つぎは服!」

「服なんて着れればいいよ」

「だめなの!さぁ、選ぶわよ!」

 これまた高そうな服屋で選ぶ物を着せられていく。着せ替え人形か!

 結局六着買ってもらい、そのまま着ている。

    

「ようやく見れるようになったわね!」

「前は見れなかったのかよ!」

「髪は長いし、野暮ったい服だし」

「それは悪かったな!」

「まぁね!これで借りは返したかしら?」

「あぁ、借りねぇ?俺はお前が強くなってくれればいいよ」

「まぁ、いままでの借りですわよ」

 マリアは高笑いをし、

「それで、魔法玉とスクロールを私にも分けて欲しいの!」

「あぁ。あげるよ。なんの魔法とスクロールだ?」

「五行魔法は欲しいわね、それと瞬歩なんかがあったらいいわ」

「それならこれとこれを渡しておくよ」

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マリア・北条 十八歳

レベル 62

力 A+

体 B

速 B-

魔 C-

運 A+

スキル 五行魔法(火 水 風 土 雷)   

    回復魔法 鑑定魔法

    剣術 槍術 体術 盾術 感知 天歩 剛断 瞬歩 疾風 集中 念話 鉄塊 手当て 俊足 剛力 蹴足 

ユニーク


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 とりあえずこんなもんだろ?

「もらいすぎですわ」

「これくらいないと戦えないだろ?ちゃんと練習もするようにな!」

「わ、わかりましたわ」

「もし何か欲しいものがあれば言うといい」



 そのあとは少し雑談をして家に送ってくれた。

「また何かあったら呼んでくれ」

「わかりましたわ!それでは」

「じゃーなー!」


 家に入ると、

「ただいまぁー!」

 静かだ。また爺婆ズがどこか連れ回してんのかよ!

 机の上には置き手紙が、『彼女をほったらかしにしたるあほんだら!ワシらが旅行に連れて行く!アデュー 親父』

「ふざけんな!俺も連れてけっていってるだろうが!」


 またルナディアにでも行くか。


『転移』


 聖教国、魔法屋はここが一番でかいからな。

「よう、新しいの何か入ったかい?」

「これと言ってないねぇ」

「そうか、スクロールは?」

「んー、テイムくらいかね」

「んじゃ、それをくれ」

「十万だ」

「はいよ」

 俺は魔法屋を出て行く。


「さて、何しようかなー」

 つかルナディアも広いんだからまだ王国みたいなのがあるんじゃね?

『転移』

「やっほー、ルー」

「なにがやっほーだよ。なんかあるたびに来てんじゃないよ」

「いや、ルナディアって広いじゃん?で、行ったことない国に行きたいなぁって」

「まぁ、人間の国ばっかりだったからね」

「じゃあやっぱ獣人とかエルフもいんの?」

「いるにはいるけど人嫌いだよ?」

 コーヒーを淹れてくれるルー。

「なぁー。それじゃだめじゃんか」

「自由国家に行けばいいさ」

「自由国家?」

 ルーも明日に座りタバコを取り出す。

「人種の坩堝、ただ治安もわるけりゃ政治なんてないからねぇ」

「やりたい放題?」

「そゆこと」

 へぇ、行ってみたいなぁ。

「いくなら一人で言って来なよ」

「ん?あぁ、一人で行くつもりだよ」

「ならお使いを頼むよ、ハッピーキャラメルで、私の名前を出したらわかるからさ」

「あいよ、で?どこにあるんだ?」

 ルーは地図を取り出す。

「ここが聖教国。そこを西に向かって山を越えた先にあるよ」

「げぇ。遠いなぁ」

「まぁいってきなよ」

「うぃ、いってくるよ」

 ルーに挨拶をするとすぐに聖教国に飛んだ。

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