第66話 日本とルージュ


 ルージュを宥めて、街をまたぶらつく。

「今度はトンカツ屋か?」

「ここのとんかつ美味しかった!」

「あぁ、爺婆ズに連れて来てもらったんだな?なら入るか」

 ふたりともペロリとトンカツを食べ、デザートまで食べていた。


「ふぅー、満足じゃ」

「そりゃ、あんだけ食べればな!」

「食べ物もすごいけど建物とかも凄いねぇ!」

 ここも人が凄いけど東京ってとこはまだ人がウジャウジャいるからな」

「うへー、それはちょっといやだな」

「腹も膨れたし一回帰るか!」

「賛成!」

「私も」


 路地裏から転移で、家に帰る。

「はぁ、家が一番楽だな」

 ソファーに腰を下ろしてまったりする。

 ルージュもソファーの柔らかさを気に入ったようだ?

 ユフィはキッチンでコーヒーを淹れている。

「あぁ、ふたりともこんな生活をしていたのだな!ずるいぞ!」

「ルージュも王族だからこれ以上の生活だろ?」

「あんなものと比べ物にならないわよ?ここの生活は最高」

 溶けるようにソファーに埋もれていく。

「あと、ここは一夫一妻だから彼女にはなれないからな?」

「うそだ!こっちはこっち!あっちはあっちなの!私はコタローが好きなの!」

「いや。それをいわれても俺にはユフィがいるし」

「ユフィも賛成してくれたもの!ねぇ!」

「俺はルージュならいいぜ!」

「いやでも」

「いやもでももないの!私は彼女になる!」

「そんな海の王様になるみたいに言われても」

「私が嫌い?」

「嫌いじゃないよ」

「なら決まりー!私はいまからコタローの彼女でーす」

「はぁ。押しの強い女には昔から逆らえないんだよなぁ」

 またキャッキャしてる二人は置いといて、書斎にはいる。魔法玉の研究だ。

 といっても錬金術だからまず失敗はしないだろ。

 まずはブランクの魔法玉を手に取り、スクロールと同じように魔法を入れ込んでいく。

 混ざり合ったところで関係だ。

 とりあえず。鑑定魔法を入れてみた。


 ルージュとユフィは仲良くお勉強しているらしい。日本に住むのか?

 まぁ、それは置いておくとして鑑定魔法を自衛隊の加藤さんに使ってあげよう。

 加藤さんに連絡していまからいくと言っておく。


 駐屯地に行くと、笑顔で通される。なんか怖いな。

「久しぶりというほどでもないですね」

「ほんとです。今日は鑑定の魔法玉を持って来たんで加藤さんに使ってみてもらいたくて」

「私でいいんですか?!」

「いや、加藤さんしか信用できる人がいないですし」

「あ、ありがとうございます」

 魔法もなれたもので、鑑定もすぐ取れたようだ。

「ありがとうございます!これでいろんなものを鑑定させていただきます」

「ではわたしはこれで」

「あ、待って下さい。スクロールの話なんですが」

「あぁ、どれが何本いるかメールしてもらえれば届けますよ」

「ありがとうございます」

「では!」


 俺はその場で転移して家に帰ると見せかけて岡崎ギルドに!

 福田さんはがんばっているかなぁ?

「あ、小太郎さん!いいところに来ました!

スクロールはもうないんですか?なぜかここに聞いて来る人が多くて困ってるんですよ!」

「福田さん、がんば!」

「頑張れないです!スクロールがあるなら買わせて下さい!」

「じゃあ別室で渡しますよ」


 会議室に移動して、剣術 槍術 棍術 体術 盾術 のスクロールを渡した。

「ほかにはなにがあるんですか?」

「色々ですね。まだ出しませんけどね」

「もう!でもこれですこしは持ちます。ありがとうございます」

「お金は振り込みでお願いしますね」

「もちろんです」


「冒険者は増えましたか?」

「いま増えつつある感じですね。初級ダンジョンからですから、ここに来るのは中堅どころの冒険者達ですがね」  

「へぇ、結構前からやってる人ってことですか?」

「そうです。その人達からスクロールの話がくるから大変なんですよ」

「そうでしたか、ならこれもお付けしますよ」手当て 俊足 剛力 蹴足 のスクロールを渡した。

「中堅どころだと、こう言うのが好みかなぁと」

「ありがとうございます!」

 下からの突き上げは辛いところがあるよな。

「それじゃあ私はこれで」

「はい。また来て下さいね」

「たぶん」

 笑いながら別れると家に帰る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る