第63話 自衛隊


「自衛隊の加藤だが覚えているかね?」

「ん?あぁ。わかりますよ。どうしました?」

「今回魔法玉とスクロールに金が出ることになったんだが、そのためにこちらに来てもらうことはできるかな?もしあれなら迎えにいくが?」

「前のところでよければいまからでもいきますよ?」

「では、一時間後に前の場所でお願いする」


 俺は新しい家でのんびりとテレビをつけ、ユフィと二人でゆっくりとした時間を味わっていた。

「一時間後に出かけて来るよ」

 魔法玉はあったかな?

「あっ、仕入れてこないとないな。ちょっといってくるよ」

「あ。いってらっしゃい」


 転移した場所は王都の魔法屋だ。

「ちわっ!なんかいいの入ってるかい?」

「いまだといいのは売れちゃってるね」

「五行魔法はあるかい?」

「そっちはいつでもあるよ」

「じゃあ三つづつもらうよ」

「えぇ?三つづつ?」

「あとスクロールでいいのはあるかい?」

 店主はスクロールを探して、

「早駆けや剛弓、あとは斧術とかかな」

「とりあえず全部見せてくれ」


 スクロールで手に入れたのは早駆け、剛弓、斧術、疾風、集中、の五つ。あとは五行魔法を三つづつだ。


「ほかにも掘り出し物のスクロールがあったらとっといてくれよな!」

「あぁ、任せとけ」

 来たついでに錆猫の居眠り亭に足を運ぶ。


「あ、兄ちゃん!」

「よお。ユピー、元気にやってるか?」

「あら、コタローじゃないか」

「女将さんも元気そうで」

「コレお土産、クレープっていうんだ、早めに食べてくれ」

「ありがとよ」

 さっそくお土産を持って行くユピー。

「みんな変わりはないかい?」

「みんな元気だよ」

「それならよかった、今日は少ししか時間が取れないからまた今度顔出すからな」

「はいよ!いつでもおいで!」


 女将とユピーに元気をもらい、日本に帰還した。スクロールを全部自分に使って、コピーできるようにしとく。


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コタロー・カザマ 十八歳

 時渡人

 レベル381

 力 GS++

 体 GS+

 速 GS++

 魔 GS++

 運 GS-

スキル 五行魔法(火・水・土・風・雷)        

    闇魔法 光魔法 聖魔法 回復魔法 転移魔法 時空間魔法 鑑定魔法 強化魔法 支援魔法 付与魔術 錬金術

     剣術 槍術 棍術 体術 盾術 感知 天歩 剛断 瞬歩 早駆け 剛弓 斧術 疾風 集中

ユニーク 限界突破


 黒の魔女の弟子

 巻き込まれし者

 極めし者

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 あれ?いつのまにか十八歳になってたな。まぁいいや、さて、準備も出来たし、早めに行っておきますか。

『転移』


 さすがに駐屯地のなかには転移はやめといてすぐ近くの門から入れてもらった。

「やぁ。久しぶりだね」

「おひさしぶりです」

「おや、口調がかわったのかな?」

「いや、あのときは怒りに任せて素が出ていたので申し訳ありません」

「いや、あれから聞いたから怒るのも無理ないよ」

「さぁ、座ってくれ」

「失礼します」

 ソファーに促されるまま座り、コーヒーが出される。

「まずはこの前のことは本当にすまなかった」

「いいですよ、ギルマスのせいですから」

「そう言ってもらうとこちらも助かる」

「で、本題なんだが、魔法玉の値段の件だが」

「あ、あれもそこまで高くなくてもいいですよ?数には限りがありますけどね」

「そうか、それもありがたい」

「一個五百万程度でいいですよ。でも三つづつしかないのでそこは勘弁して下さい」

「ほ、ほんとにその値段でいいのかね!」

 前のめりで加藤さんの顔面が迫る。

「はい。いいですよ」

「本当に助かる!ありがとう!」

 

「あとはスクロールですよね。スクロールも百万くらいで下ろせますよ」

「本当にありがとう!この会談をどうしようかすごく悩んでたんだ!」

 そりゃこの前の態度で出て行ったままだしな。悪いことしたなぁ。

 

「それでどうしますか?」

「魔法玉はすべて買い取らせてくれ、スクロールは何があるんだ?」

「いまあるのは剣術 槍術 棍術 体術 盾術 感知が十本づつですかね」

「じゃあそれもあるだけ全部だ」

「分かりました。じゃあ、カードに入れて下さいますか?」

「分かった、君のカードにいれておこう」

「じゃあ先にこれを」

 魔法玉を十五個とスクロールを六十本。結構な数だな。

「使い方は分かりますか?」

「一応だが」

「じゃあ、加藤さんが何か試してみますか?ここに天歩のスクロールがあるのであげますよ」

「本当かい?ありがたくもらっておくよ」

「ではそれを広げて背中を触らせて下さい」

「あ、あぁ、これが魔力か」

「それをスクロールと混ざり合わせる感じです」

 そっと手を離す。

「あぁ!覚えたぞ!ありがとう!天歩というスキルを覚えた!」

「おめでとうございます。こうやって他の人にも教えてあげて下さいね」



 これで自衛隊の問題も解決したし、あとは家でのんびり出来るわけだ。


「まっててねマイホーム!!」

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