第32話 リセット
「さっすがコタロー、ガノンダンジョン攻略おめでとう」
「ありがと、流石に最後は死ぬかと思ったけどな」
少し遅くなったがユフィと合流して、飯を食っている。もちろん宿の飯だ。
「ユフィはどうなんだ?中層でのレベル上げは?」
「へっへーん、見ていいよ」
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ユフィ 十五歳
レベル47
力 C-
体 C-
速 B+
魔 C-
運 D+
スキル 風魔法 土魔法 火魔法
弓術 短剣術
早駆け 剛弓 曲射 三連射
ユニーク
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「ほう、素早さがBまで上がってるな。これなら先に進んでも問題なさそうだな」
「でっしょー?そろそろご褒美くれてもいいんだぜ?甘いものとか甘いものとかな」
「んじゃ、食後にクレープやるからそれでいいだろ?」
「やったー!クレープ!クレープ!」
はしゃいでるユフィを横目に自分のステータスを見る。
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コタロー・カザマ 十六歳
レベル99
力 SS+
体 S+
速 S+
魔 SS-
運 S+
スキル 五行魔法(火・水・土・風・雷)
闇魔法 光魔法 聖魔法 回復魔法 転移魔法 時空間魔法 強化魔法 支援魔法 付与魔術
剣術 槍術 棍術 体術 盾術 感知 天歩 剛断
ユニーク
黒の魔女の弟子
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レベルが99から上がらなくなった。ここが限界なのか?やはりわからない時の師匠だよりしかないか。
「ってわけで、やってきたんだが」
「どんな次第かわからんが、クレープを土産に持って来るのは褒めてやろう」
魔女も例外なく甘いものが好きと、
「って、違った。俺のレベルが99から上がらないんだが」
「そりゃ、人間はレベル99までしか上がらないよ?例外はあるけどね」
「まじかよ、頑張って特級ダンジョンまで攻略したのに、カンストしてたなんて」
俺はテーブルに突っ伏す。
「まぁ、ステータスは微々たるもんだけどあがるんだから頑張んなさいな」
「……レベルがあるから頑張れたんだ。レベルが上がんないのに頑張る理由が見つからない」
あとはステータスのみかよ。
「はぁ。どっかに限界突破の宝玉があるって噂を聞いたことはあるけどねぇ」
「どこだ?!どこにそんなものがあるんだ?」
俺はルーに詰め寄ったが、
「知るわけないでしょ?そんな激レアな宝玉があったら私が持ったるわよ」
「なーんだ、噂話か……でも、あるかもしれないなら探すしかないよな!」
俺は立ち上がりルーに別れを告げて転移する。
「はぁ、単細胞だねぇ」
アルスタットの魔法屋はもう直っていた。
「ちわっ!限界突破の宝玉はあるか?」
俺は入るなり親父に詰め寄る。
「な、な、なんだそれは?そんなのうちにあるわけないだろ?」
「なんでもいいんだ、なんかそれらしい情報はないか?」
「ねぇよ!てか近い近い!」
少し離れて落ち着いて話を聞く。
「あのな、そんなお伽話じゃあるまいし、誰に吹き込まれたか知らねぇが、鵜呑みにすんじゃねーよ」
親父は優しく語って聴かせて来る。
「うん、俺もそんなのないって思ってたが、あるかも知れないなら欲しいんだ」
「……俺も仲間内に聞いておいてやるから、まぁ当てにすんなよ」
「うん……ありがとう」
俺は魔法屋を出た。
やっぱりそんないいものがあるわけないな。
しょーがないな!ここで気を落としてもユフィに笑われるだけだ!限界まできたんだから、いつか限界突破できるだろ!
一気に暇になってしまったので、ユフィの調子でも見にいくか。
アイーザダンジョンに転移する。
アイーザダンジョンの前は中級ダンジョンだけあってなかなかの人混みだ。屋台なんかも出ていて特級ダンジョンとは大違いだ。
まだ出てこないだろうから屋台を冷やかしに見て回る。
魔法屋の店舗を見つけて目新しいものがないか物色してみると、
「なんだこれ?」
一本の古いスクロールを見つけた。
「あぁ、それかい?それはレベルをゼロにするスクロールさ。呪いのスクロールだね」
俺は鑑定してみると、
レベルリセットのスクロール……レベルをリセットする。ステータスなどには作用しない。
「おっほ!これはいくらだ?」
「なんだい買うのかい?なら十万ゼルでいいよ」
「たっけぇな!でも買うよ」
俺は十万ゼルでレベルリセットのスクロールをかった。
「こんなお宝があるなんて!レベルを限界突破しなくても一から上げればいいだけじゃないか!」
すぐにスクロールを広げて魔力を馴染ませるとスクロールが効果を発揮した。
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コタロー・カザマ 十六歳
レベル1
力 SS+
体 S+
速 S+
魔 SS-
運 S+
スキル 五行魔法(火・水・土・風・雷)
闇魔法 光魔法 聖魔法 回復魔法 転移魔法 時空間魔法 強化魔法 支援魔法 付与魔術
剣術 槍術 棍術 体術 盾術 感知 天歩 剛断
ユニーク
黒の魔女の弟子
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「やった!またこれでレベルを上げられるぜ!」
俺はそのままアイーザダンジョンに突入した。
「で?何かいいわけでも?」
「いや。つい楽しくてな」
「どこの師匠が弟子の攻略中のダンジョンを最速で攻略するんだ?馬鹿なのか?バカだな!」
俺は調子に乗ってダンジョンを攻略していた。そのせいで待ち合わせに遅れてしまった。それも大幅に。
「もう夜明けも近いぞ?これはどうするんだよ?」
「すいませんでした。何でもしますんで許してください」
俺はずっと正座させられている。もう足の感覚がなくなってきているのだ。
「絶対ですからね」
笑顔で敬語になるユフィが怖かった。
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