詩:芝生

汐崎ひかり

芝生

後ろから抱かれて

背を預けながら

その空には何もなかった

もっともたれていいよと言われたが

こうしている間にどれだけのものを失っているのか


渓谷に造られたショッピングモール

ファストフード店に渓谷から指す陽が

店内の暗さを心地よくする

そこに友達が待っている


行ってしまったらもう2度と会えない気がする

また代わりの人に出会えば良い

関係を築くにはあまりにも空虚な繰り返し

抱かれるにはあまりにもぬるま湯程度の温もりなのだ

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詩:芝生 汐崎ひかり @serori_c

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