第10話 本質
事務室にて。アカネ
<あーそーぼー>
ぢゅるんとした動き方で動く所を見ると、どうやらスライム系らしい
こんなキモイ奴を相手に遊ぶ趣味はない
水死体(?)水か、、、電気タイプで効果抜群とかアリか?
あ、コンセント。
「、、ねぇんだった」
あとは、
「こいつか!」
用具入れからはみ出た、いい具合のモップを発見したので
とりあえず、コイツで応戦することにした
「さっきのお返しだ!」
頭を吹っ飛ばす
勢いよく飛んでいくその様は、ホームランボールのようだ
ぱしゅッと水風船のようにはじけ飛ぶ頭
なかなか清々しいものをかんじる
よくみたら、パーツが分かれている。
あ、そういえば
頭、胴体、体、両腕、両足だっけ
じゃあ、あと四回だ。
殺ってやろうじゃん
「ばっちこーい!」
何だか、楽しくなってきた。
そのころナツメグは逃げていた
耳元であんな ごぽっ、、されたら誰でも逃げるに決まっている
背後からはアカネもどきが追いかけてくる
追いかけるといっても、目を離したすきに近くにいるから
後ろを向いて走るしかない
、、、、というのが、ついさっき分かった。
だから、アカネもどきとの距離は
次に目をはなしたときが、死ぬ距離だ。
もちろんまぶたも閉じることができない
おかげで、目はかっぴかぴになってしまった
ただでさえドライアイがひどいのにどうしてくれるんだ
何がどうして森の
「見つめ合わなきゃいけねーんだよ!」
「おや?誰か叫んだか?」
二階に上がる階段の方面から何かが向かってくる
ああ、ナツメグか。後ろ向きで走るとは中々、、
なるほど。そういうことか
「一発芸にせいが出るな!高校生ボーイ」
「うっせー!この状況がみえねぇのかよ!」
「口の悪い奴は、勝手に死にたまえ」
「ふざけんじゃねぇ、とっとと助けろや」
「あたまは、打ったか?」
「んだと!」
「つぎは、こころを打ってみてはどうだ」
「、、、なにいってんだ」
「ソイツの頭を吹っ飛ばして、心臓を吹っ飛ばせってことだよ」
「そうなら、そうといえっつーの」
心臓はおそらく、捧げる位置にある
一発勝負
目を離さず、自撮り棒を構え心臓めがけて刺す
メキョっとひしゃげた音と押し出された心臓があらわになる
心臓と言えど、それは焼き肉のハツのようで
ちょっとおいしそうに見えた。
べちょっと落ちた心臓
さっさと自撮り棒を抜き取る。特に問題はなさそうだ
アカネもどきは、
首が、ヘリコプターのようにグルグル回り始め、ソレは浮き上がり
みょんみょんと音を立てて
飛び始めた
「うわ!きもっつ」
もう、
「おーこりゃキモイね。キミにお似合いだ」
「誰が、なにとお似合いだって?」
「キミ、こんなに可愛いコと話しているのに楽しくないのかい」
「いやまあ、アンタ男でそれはないっしょ」
軽いノリであしらわれる
「それはない、か」
「ああ、まじねぇーわww」
笑いがこらえきれない様で楽しそうだ
「そうか、残念だよ」
とん。と肩を押す
「なら、話は別だ。キミが生きていると私は不快で仕方がない」
「は?」
「笑って許せる が いつも とは限らないってことだよ」
銃口を向け
倒れる音がした
事務室の戦い、アカネ
おしいところまではやってのけた
最大のミスは、こいつが
パーツを失うごとに素早さが上がる敵だったこと
というか
最後の胴体で急に動きが速くなった。
ずるいじゃん
当たるものも、当たらない。
こっちは、数えきれないほど当たられた
さすがに息が上がってくる
正面からの腹に一撃を食らう
ぐぁっ!
勢いよく壁にぶつかり
モップの柄でガラスを砕く
小学校の掃除のときの記憶がよみがえる
無数に反射する現実
痛みや苦しみで
もう、起き上がる気も失せてしまった
なにかで、頬を切ってしまったようで
鮮血が伝う
いや待てよ、
、、、胴体ごときに何を手間取っているのだろうか
逃げればいいのだ。
なにもやり遂げる必要はない
そこそこやって、あとは誰かになげればいい。
そのためにアイツらが居るのだから
置いていったアイツらに擦り付ければいい。
モップを支えに立ち上がり、ドアまでの距離を確認する
丁度対角線だ。
その間には、オフィス机が4つ ↑ドアll ll↓今ここ といった具合だ
走って、飛べば行ける気がする
もちろん、机の上をだ。
ダン!と机に飛び乗り埃が舞い散る
成功する保証はないが、やらねば、殺られるだけなのだ
前を向く、
1列目から2列目へ飛ぶ用意
やはり胴体はこちらに飛んでくる。こんどは右横っ腹をねらっているらしい
そうはさせるか
モップを振り進路を変え《よけ》させる
すかさず2列目に着地。
「ぬあ!」
オフィス机の脚が壊れる
さすがにバランスを崩す
前からは、胴体が飛んでくる
ぎりぎり崩れていない机によける
「うっし」
いいぞ慣れてきた
2列目から3列目へ
広い幅が開いている
飛び回る胴体
気にしない。
力いっぱい、机をける
やっぱり、狙ってくるよね。おなか
「そこだ!」
渾身のモップは空を切るが、嘆く暇はない
それでもなお、三列目に着地し
「まだまだ!」
胴体の追随を見切り
左からの攻撃に合わせる
胴体は横にそれて
埃が視界を完全に遮断する。
その中から胴体は顎にクリーンヒットをかましてきやがった
痛ってーな!!
「とっとと、死んどけ!!」
吐き捨て
青い鮮血が視界を染める
もちろん顔にかかる。
本日二度目だ
「ぎゃああっつ!!」
イナゴの悲鳴みたいに叫び散らかす
逃げればいいと考えていた。
でも、なんやかんやで自分で解決できたし
ちょっとは成長したのだろうか
確かな達成感に高揚を覚えつつ
あいつら殺す
置いていったぶん、ですげーむの本質のぶん
二倍殺す
それができるのがこのですげーむだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます