第5話 ヤクソク
島鳥あつみ(しまとり あつみ)
黒のレザージャケット
白のブラウス。厚みで張る胸
グレーのタイトスーツズボン
ミルキーグレーのクラゲカットに
ショッキングピンクの銀まるぶち色眼鏡。
ごつい底じき鉄板仕込みのレースアップのブーツ(黒)
ブルートパーズの瞳
26歳。
趣味は 銀ブラ。
装備はS&Wリボルバー六発。予備は12発。
このコの 愛称はレモネード。
正当な理由での人殺しを目論む。
悪意ある正当防衛。
中央塔:一階
バイクで来た。
対峙するは、柄屋敷クルリオ。返り血で赤いシャツ
「、、、」
「ケ、ケ、け」
リラックスした状態だが、右手の拳銃が物騒。
指は引き金にかけたままだ。
「いい機会だから、使おうと思って。」
何も聞いてない。怪しむ目線でわかったのか
「えー?アメリカじゃだめだよ。」
日常的すぎんじゃん。
日本は、限られたタイミング、人
撃つのは最後の手段。
特別な相手みたいな?
誕生日ケーキに縁がないけど
普通のケーキとは違うっていうし。
そういうものだよ
ぷるんと揺れる。
使わないともったいないじゃん
人殺しの道具なんだし、使える時に使っておきたいんだもん
使うべきタイミングで、つかうべき道具を使う。
それが礼儀ってもんよ にひぃ
「ナツメグ君知らないか、あの甘ったるいにおいの高校ボーイ」
「あれは、不幸な事故だったね」
「」
運の悪い不幸な事故と扱われ事実はそうだが、
同意はできない。一言で、済ませてはいけない。
これ以上語らせてたまるか。
「それで?何が言いたい」
「私とオトモダチになってほしいな。キミを不幸にはさせないよ?」
ダレカトチガッテと言いたげにする顔
金づちを降る
虚しく届かない。床を殴る
「あのトラック打ってたんだってね。
軽やかな動き。
中々ハイになってたし。」
黙っとけ。顎めがけ下から上に振る
休日。私情。こっちも頑張って追っかけたんだよ?」
しなやかに後ろに反り
でも、
どーん。」
反動を利用して
上着を脱ぎ、ハンマーを持った手を絡めとる。
こちとらそういうのは慣れてるんでね
腕を捻り上げて背中につける
スマホぼっしゅ―。
「おっと、これはややこしいことになったね」
よっこらせ。
尻に敷かれる。。思った以上にデカ、、、
ふらりと西之アカネが現れる。右手の果物ナイフはいつでも使える状態
「お、ちょまった。」
迷わず突進してくる距離、2M弱
「すていすてい&ハウス。」
聞くわけない
心臓を一刺し。感触。
「それだけかい」
不動。確かに刺したというのに、血が出ていない。
不敵な笑み
ナイフを 抜こうとするも固く動かない。
諦めて飛び退く。
たった一つの武器を失った。なら
素手でも
ひらひらと華麗にかわしてゆく。
絵面てきに海中のワカメを相手にしているようで気持ち悪い。
敢えて大雑把によけているんだろう。
よけてあげますという気配がにじみでる、実際、にやにやしている
ピキっと皮膚の痙攣を感じる。
もうだめだ。冷静ではいられない。
、、、顔面を狙おう。西洋人形のような陶器の肌。腹立つ顔しやがって
渾身のグーパンをお見舞いする。
パシ。確かに殴った。しかし勢いを利用される形で背負い投げを食らってしまった
ドテと鈍い音を立て背中を激突させる。
この人、投げ慣れてる。よどみない流れの中に飲まれてしまった。
「ざーんねーん。惜しかったね」
ひらひらと手を振る。
パーに負けた。、、、道理といえば道理なのかもしれない。
よっと。
「身のこなしは、、んー悪くない。及第点だな」
見下ろされる形で言われても嬉しくない。
「足の筋肉の付き方もそこそこか。、、ふむふむ
もにもに
お、パーカーの下って短パンはいてたんだ。てっきり見える丈だから期待しちゃった」
しゃがみ込んで腕の筋肉とか確認される。
痛みで動けないのに、好き勝手やられて、、
なんという生き恥だ。
「ころしなよ」
「いや、、キミは、好みじゃない」
「、、、むかつく」
「キミはどんな人生を歩んできたんだい?」
「ゾンビのような人生ですが、何か」
不満でも、ありますか
「死にたいかい?
死にたい《生きる》は
生きたい《死ぬ》ってことだぜ。
正確にいえば、
生きていない状態から、生きている状態になりたい
もっと生き生きとしたい。
きみ、本気じゃないでしょ。やり場のない怒りがその身を支配している。
死んでもいいと思ってる。
私は、活気にあふれた人間がいいんだ。
、、、おーけ?」
「しらないよ、、」
ハァとため息。腕で目を覆う。自論かましやがって。
暗闇のなか
鈍い殴打の音がした。
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