第4話 一生懸命
大会が始まって、終わった頃には、同じ景色は見られない
夕日に赤く照らされた、先輩の顔を見ていた。
「悪魔とだって契約したい気分だよ」
「、、、先輩」
一生懸命、練習してただけなのに。そうは言わなかった。
高校三年。長距離選手、ランニング、早朝。学校に行く前の走り込み、毎日欠かさない。
歩道を走っていた。人はいない。
T字路の突き当りにむかって車が突っ込んできた。足の状態が良くない
大会の開幕式に手術は始まり、閉幕とともに手術は終わる。
DMに来た招待メッセ
#有志 #ですげーむ
・自分の身を護れるもの
・大切な人の為なら何でもできる人
・願いを叶える権利を差し上げます。
痛いほどよくわかる。
自分が元のように走れなくなった
奪われた、なぜ自分が。
諦めがついたといえばそうなるのだろう
左塔地下1階:柄屋敷 クルリオ
柄屋敷 クルリオ「金づちで、よかったんかなぁ、、」
鈍色で柄の部分は木製。ホームセンターで売っているような 平凡な金づち。
右手で手持ち無沙汰に持つ。時々掲げてみたり、振ってみたり。
ココは地下一階への階段を下りた奥の部屋。正面からまっすぐ見据えた壁に
クルリオは座って壁にもたれかかっている。
閉ざされた扉。
地下へ行くには、
まずは、手前にある入り口の扉を開ける必要がある。重く、全体的にさび付いていて音を立てずに開けることはできない。
次に、オレンジ色の光を放つ裸電球が、等間隔に吊り下げられたコンクリートの階段を下りていく必要がある。光源がない段もあり気を付けて進まなくてはいけない。
幅は狭く上に行くにも下に降りるも一方通行でありすれ違うことはできない。
閉所恐怖症にはきつそうだ。
最後に、地下の部屋は、六畳間くらいだと思う。扉は上と同じようだが、錆びていない。何かあるかもしれないと思ってココを選んだが、
来てみれば、空っぽだった。あるといえば、上から吊り下げられた裸電球が
ぽつりと光を放っているだけだ
ですげーむあぷり
通知☞まっぷ(反応アリ)
光が現れる。
ゆっくりと、こちらに移動してきている。
誰だ。 西之か、島鳥か、早苗か
他は、力が弱そうなやつらばかりだ。
現状:ナツメグは死んでいるし。できればptを持っている早苗がいい。
ぎぎぃぃ
幸い、体力もなさそうだ。骨も脆いだろう。
カツ
コツ
カツ
コツ
早苗か島鳥か
勝つこと《生き残ること》
どれくらい殴れば人は死ぬのだろうか。
とにかく、動かなくなるまで殴ればいい。
過呼吸。
ハ
は
ハッ
は
ㇵ
は
っ
カツン。
ドアを挟んだ一歩手前、静寂。
階段からは押し戸。
左手側に待ち構える。息を殺す。
ぎぎぎぃぃ
両手で金づちを持つ。力を籠めやすいと思った。
できるだけ、楽に死ねるように。
自分本位なのは分かっている。
痛いのは嫌だよな。苦しいのも、辛いのも。
よくわかる。
だから。
部屋に入ってゆく人影。
一歩、二歩、三歩 背後をとる 叫ばないように、必死にこらえて
力を込めて、振り下ろす
ガゴッーー
ドアが閉まった音にかき消された一撃は人影を
前へと倒す。緑と紫の髪は花びらのように舞い
早苗 すみれだ。
赤い眼鏡は、からからと円を描いて滑ってゆく
ゴンと額をぶつけた音。そのままの勢いで
振り下ろし続ける。
上から、頭部をまんべんなく叩いていく。
ゴガッ
ゴガッ
ゴガッ
叩くたびに揺れる頭。ボールのように揺れ続ける
血、血 血☞赤眼鏡
赤眼鏡に飛び血する。その懸命な行為の様子を、ただ。映しながら
ガチュっと水分を含んだ音を立て始める
・・・音が、空虚に反響して、消えていく
それすら、彼には聞こえていないだろう。
今はただ、息の根を止めることに集中しなくてはならない。
グチュ
柔らかなものを叩くときの音に変わる。
こんな時にふと、ハンバーグを思い出した。
ガン!
いつの間にか、床をたたいていた。
只々静けさが残った。
頭部は跡形もなく消し飛び、代わりにペースト状の
ほんのりピンクが混じった赤色の花を辺りに咲かせていた
赤やピンクに交じって、緑と紫もかすかに見える
地獄の花畑というものがあったら、こういうのだと思った。
金づちにはねっとりとした見たことないものが付いていた。
柄屋敷「、、、すまねぇ」
仕方がなかった。仕方がなかったんだ。
金づちをズボンの背中側。ベルトにはさんで、考える。
さて、どうやって中央塔0階まで持っていこうか。
女子の持ち方なんぞよくわからない。
おんぶか、姫様抱っこしか知らない。
、、、おんぶにしておくか。
中央塔0階:切断機前
手の中の物を入れてしまえば 早苗+ナツメグ=20pt
これで勝利に近づく。
裁断機は手術台のような見た目をしており
上からカッターの入った蓋が下りてくる。
そして、右手方向にベルトコンベアーが伸びている。
パーツは、そこで回収されるようだ。
通知☞ぽいんと:20pt
通知☞いきのこり:4
最後までパーツが回収されてゆくのを見届け
中央塔0階を後にする。
るーる。体に敬意をもって接しましょう。
これを破った(跡形もなく消し飛ばした)場合
被験者は、等価のパーツを差し出すことになります。
頭なら、頭をー
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