プロテインガール

第4話 謎の副作用

ある日、街で大事件が発生した。近くの動物園からライオンが脱走し、街を駆け回っていた。恐怖に震える人々が慌てて避難する中、目の前で無邪気に遊んでいた男の子がライオンに襲われそうになった。

私はすぐさま駆け寄り、男の子に向かって叫んだ。「早く逃げて！危ない！」その瞬間、私は副作用によって得た瞬発力を発揮し、ライオンと男の子の間に立ちはだかった。巨大なオスのライオンは威圧感を放っていたが、私は恐れずに立ち向かった。

戦いの最中に突然、私は襲いかかる空腹感を感じてしまった。「こんな時に…！」と思いながらも、ライオンとの戦いを続けようとした。

その時、翔太と涼子が駆けつけ、私をサポートしてくれた。涼子はライオンを驚かせる鳴き声を模倣し、「ガオー！」と叫んだ。翔太は私に手元にあったプロテインバーを投げてくれ、「これ食べて、力を取り戻せ！」と言った。私はそれを食べることで、一時的に力を取り戻し、再びライオンと対峙することができた。

プロテインバーを食べて力を取り戻した私は、目の前に迫るライオンに立ち向かった。その巨大な体躯に対して、恐怖心を抑えつつ、力強い構えで戦いに挑む決意を固めた。

ライオンは威嚇するように咆哮をあげ、その力強い足で地響きを立てながら、私に向かって猛スピードで駆け寄ってきた。私は瞬発力を駆使し、避けるたびに反撃のチャンスを窺っていた。

ライオンが再び襲いかかるタイミングを見計らい、その大きな爪が私に届かないよう、素早く横へ身をかわした。そして、反撃のチャンスをつかんだ私は、全身の力を込めてライオンの顎に強烈なアッパーカットを繰り出した。

しかし、その一撃だけではライオンは倒れなかった。怒りに燃えるライオンは、ますます激しく私に襲いかかり、その勢いに圧倒される瞬間もあった。私は疲労と空腹の限界を感じながらも、必死に立ち向かい続けた。

何度も何度も激しい攻防が繰り返される中、私はついにライオンの隙を見つけ、瞬間的にその横に回り込んだ。そして、全力でライオンの後頭部に強打を加え、ついに気絶させることに成功した。

ライオンが気絶して倒れると、周囲から拍手が沸き起こった。私は疲労と安堵の涙をこらえることができなかった。その後、動物園の職員たちが駆けつけ、ライオンを無事に捕獲し、再び檻に戻した。

私は、街中でのライオンとの戦いの後、すぐさま涼子と翔太に連絡し、状況を報告した。二人は驚きながらも、私が無事であることに安堵の表情を見せた。翔太は私の怪我がないか心配そうに確認し、涼子はプロテインバーの効果に感謝していた。

しかし、私はライオンとの激闘でプロテインバーの栄養を全て使い果たしてしまい、そのまま力尽きた感覚に襲われた。翔太が駆け寄って私を支え、涼子は私に水を飲ませてくれた。その後、私は疲労のあまり、その場でバタッと倒れて眠りについてしまった。

気がつくと、私は研究室の自分の部屋のベッドで目を覚ました。ベッドの横には美味しそうな食べ物が用意されており、私のお腹はグーと大きな音を立てた。その食べ物に目がくらんで、脇目もふらずにむしゃむしゃと食べ始めた。

その時、翔太が部屋に入ってきて、「まるでライオンだな」と言った。その言葉に私はむっとして、彼に不機嫌な顔を向けた。しかし、翔太は少し照れながら笑っていた。

続いて、翔太が部屋を出た後、涼子が入ってきた。彼女から、翔太が私をおぶって研究室まで連れて帰ってくれたことを聞かされた。さらに、翔太が私の大好きなオムライスを急いで作ってくれたことも知らされた。そして、彼がずっと心配してくれていたことも話してくれた。

涼子の言葉を聞いて、私は翔太に対する感謝の気持ちがこみ上げてきた。

涼子に感謝の言葉を述べた後、私は翔太にも感謝の気持ちを伝えたくなり、彼を探し始めた。やっと見つけた彼に向かって、名前を呼びかけようとした。しかし、その瞬間、なぜか翔太の顔を直視できなくなってしまった。

翔太が「なに？」と言って私を見つめているのに、私は顔を上げられず、言葉に詰まってしまった。その時、お腹がまたグーと鳴ってしまい、私は顔が真っ赤になった。慌てて部屋に戻り、ベッドに飛び込んで大泣きしてしまった。

自分の心の中で何が起こっているのか、私にはわからなかった。なぜこんな気持ちになってしまったのか、戸惑いと共に涙が止まらなかった。

その後、涼子が私の部屋に入ってきて、心配そうな顔で私に話しかけた。「どうしたの？大丈夫？」と尋ねる彼女に、私は自分の気持ちがまだよくわからないことを告げた。涼子は優しく私を抱きしめてくれ、一緒に考えようと励ましてくれた。

「あの、涼子、ちょっと言いたいことがあるんだけど」と小百合は言いながら、腕を握った。

「なにかしら？」

「最近自分の気持ちがよくわからないんだよね。こんな感じって、キンニクフエールの新しい副作用じゃないかって思ったんだけど」

「ふふ、それならいいんだけど、残念ながらそれじゃないみたい」

「えっ、じゃあなんなの？」

涼子はにやりと笑い、「多分、副作用よりもっと重症な病気にかかってるんじゃないかしら」と言った。

「な、何の病気？」

「恋の病よ」と涼子はにやりと笑いながら答えた。

小百合は真っ赤になり、「そんなわけないじゃない！」と言いながら、ベッドに潜り込んでしまった。