シェアフ利ー③
私は最近大学に行っていない。
なんかシェアフリーに取り憑かれた感じ。
シェアフリーを触るたびに昔のような性格が遠のいているような気がした。
家の中にずっといるから友だち友会ってない。
流石にまずいのかな?
しかしシェアフリー1本で完結する。
買い物、夜飯、単位、彼氏。
何でも売っている。
昔の私ならその異常性にすぐに気づくだろうが今の私はなんとも思わない。
足枷とは思わなかった。
常に生活の拠り所でシェアフリーが無かったら何もすることが出来なくなってしまう。自分は間違えなく堕落している。ホームシックで有るのではない。
ただ私はこのアプリに洗脳されているらしいのだ。
大学を停学した。
行っていないなら。
行かなくても全然大丈夫。
私にはシェアフリーがあるから。髪が伸びたとしたならば散髪を買って家の中で理髪師がしてくれる。
電子マネーは比例して無くなっていく。
私はパートに行っていないためとうとう後30ポイントで底をついてしまう。
仕方がない母親に頼もう。
そうと決めたら私は母親に電話する。
「お金を送ってほしいの。最近忙しくてすぐなくなっちゃうんだよね。」
母親は溜息をついた。そして
「アンタ、電子マネー使いすぎでしょ。何に使っているの?大学からも最近来てないって連絡きたわよ。」
私はこのアプリを使ってから気が短くなったのかな?
母親の声が雑音のように聞こえる。苛苛する。
「早く送ってよ」私は強く言ってしまう。
「ちょっ、アンタね、何よその態度。明日家に来るから!」
私は母親の会話途中にスマホをきってしまった。
視界が暗くなっていく。目にはシェアフリーしか見えなくなる。スマホの画面はシェアフリー。どんどんのめり込まれていく。
他のものを視界に入れることが出来なくなった。
だけどいいの。
シェアフリーさえあれば。シェアフリーさえあれば私は生きていける。
電子マネーは最悪銀行から借金してやればいい。
明日母親になんて言おう。
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