三鷹寛蔵②

次の場所が決まった。どうやら前いた所に近いらしい。

またあいつに会えるかな?

少し思っていた。

花山は寛蔵の方を見て言う。

「そろそろ仕事場に送りますけど。準備いいですか?」

寛蔵は頷き次の仕事場へ言った。

寛蔵の魂は飛ばされ標識に憑依した。

ここが新しい仕事場らしい。

ってなんか見たことあるような。

まさか!

前死んだ所の横の標識じゃないか。

ってことは。

ア~。三鷹がいる。

寛蔵は三鷹に言った。

「ただいま。」

三鷹は呆気にとらわれた。そして、

「えっ誰ですか。」

「いやいや分かるやろこの話し方。」

「標蔵?」

寛蔵は頷こうとしたが本当の名前を三鷹に伝えようとした。

何故か。自分だけ三鷹の名前を知っているという現状は少し卑怯な気がしたからだ。

「俺の標蔵は偽名というか一種の標識界隈の名や。本当は三鷹寛蔵といいやす。」

「寛蔵。俺のじいちゃんの事知ってるのか?」

標識は少し戸惑った。

「私には孫がいないはずや。孫は既に死んでいるんや。水難事故で。

あの日。慚季(はじき)は死んだ。」

「なんで俺の名前を知っているのだ?」

やっとわかった。三鷹というから少し疑っていたがまさか孫とは。

それと同時に涙が溢れた。

「あぁ慚季か。久しいのう。」

「爺ちゃんとは思わなかった。」

慚季も泣いている。

そして慚季は水難事故の全てを話した。

「なんと。奇跡的に助かったのか。良かった。しかしすまない。孫が目を覚まさない時にわしが目を覚まさなくなってしまって。」

慚季は知っていた。

「俺は俺はじいちゃんが帰らぬ人になったのは助かってから聞いた。」

わしは慚季になんて事をしてしまったのだと思った。

そしてもう慚季を悲しませたくないと思いある提案をした。

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