第四十九話
「それまで一体、何人の
春海は、少し
「そ、それでは総理は、世界中の国々からの要求に応えられませんよ。そ、それでもいいんですか?!」
鞍馬は、冷静に答えた。
「もちろん、タダでとは言わん。
春海は、
「くっ、ほ、本気ですか?!」
すると鞍馬は、
「
春海は「くっ」と
「最後に一つ、聞かせろ。戦車に乗っていたプレイヤーは、子供か? お前なら、知っているだろう?」
すると春海は、「ふん」と鼻を
「だったら、どうしたというんだ? 君は
「何だと?」
「戦場では、子供も女も関係ない。殺すか、殺されるかだ」
俺は、何も言えなかった。確かに戦場で戦う子供や女性を、見たことがある。本当なら、
そしてこの部屋に、安心感が広がった。もう終わったんだ。この、クソゲーは……。俺もこの部屋から出ようとすると、鞍馬に止められた。
「待ちたまえ、
「一億円、入っておる。受け取ってくれ」
だが俺は、首を横に振った。
「そんなもんもらっても、誰も生き返らない……」
すると鞍馬は、
じゃが、とんでもない結果になった。プロジェクトの参加者のほぼ全員が死亡して、生き残ったのは君だけじゃ。だからこのゲームは、終わらせる。
優勝者の君が一億円をもらって初めて、このゲームは終わる。そしてこのゲームは、二度と
「分かった。そこまで言うのなら、もらってやろう。だが一つ、条件がある。俺と
すると鞍馬は『れる』を見つめ、頷いた。『れる』も頷いて、パソコンが置いてある机のイスに座った。そしてカタカタとキーボードを打つと、プリンターで一枚の紙を印刷した。
それを
いつものクセでバスが
「ちょっと待ってくださーい! 北村修吾さーん!」
振り向くと『れる』は、段ボールのようなモノを
「何だ、それは?」
すると『れる』は、笑顔で答えた。
「段ボールです。組み立てると、ミカン箱くらいの大きさになります」
俺は、聞いてみた。
「どうして、そんなモノを?」
それを聞いた『れる』は、更に笑顔になった。
「鞍馬大臣に、持って行くように言われました。四つあります。鞍馬大臣はあなたが考えていることくらい、お
俺は段ボールを受け取ると、言ってやった。
「しょうがない、もらってやる」
俺はバスに乗り込み、
東京駅でバスを
俺は、思った。そうだ、それでいい。人間、いつ死ぬか分からねえんだ。だから生きているうちは、やりたいことをやっておけ。するとスーツを着た男が、スマホに向かって大声を出していた。
「そうなんだよ。日曜日まで仕事だぜ、やってらんねえよ。まあ
俺はその男に近づくと、その男のスマホを取り上げた。当然、男はキレた。
「あん? 何しやがんだ、てめえ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます