第四十八話
ふふん、と鼻で笑った後、
そしてY国に
日本は食料や
それでも世界中の国々は総理大臣に自衛隊を投入しろと、圧力をかけた。悩んだ
そのプレゼンに
しかし単純に義勇兵を
適性がある人間が集まれば
『アーツ』は『スコーピオン』という、FPS(ファースト・パーソン・シューティングゲーム)を参考にして作った。それで優勝できるなら義勇兵としての適性があると、春海は考えた。
そこまで聞いた俺は、怒りをぶちまけた。
「くっ、やり方が
しかし春海は、
「だがそうでもしないと、日本は世界中の国々から
「知るか、そんなもん! それに、ペナルティ・スナイパーって何なんだよ! ゲームに負けたからって、殺すことは無いだろう?!」
「ああ、あれか」
春海はやはり、平然と聞いてきた。
「君は戦場で、一番やっかいな存在を知っているか?」
「何?」
「それは、強い敵ではない。味方の
「くっ……」
「でもだからって、殺すことはないだろう?!」
すると春海は、小さなため息をついた後に答えた。
「殺せばそのプレイヤーは、二度とゲームに参加できなくなる。そうすれば弱いプレイヤーはいなくなって、強いプレイヤーだけが残る。分かりやすいだろう?」
「くっ、
「人間は、強い人間と弱い人間に分けられる。それを、分かりやすくしたまでだ」
「くっ……」
すると春海は、聞いてきた。
「それでは君に、X国とY国の戦争を止めるアイディアでもあるのかな?」
俺は、答えられなかった。少し考えてみたが、何も思いつかなかった。
すると春海は、冷静に
「だから君にはこれから、防衛大学校で義勇兵としての訓練を受けてもらい、Y国に行ってもらう。もちろん、タダではない。一億円が、
それを聞いて俺は、ブチ切れた。
「ふざけんな! 俺が今までこのゲームで何人、殺したと思っているんだ?! それなのにまだ、人殺しをさせるつもりか?!」
すると春海は、冷静に答えた。
「そうだ、その通りだ……」
俺は、吠えた。
「俺は義勇兵になんかならないぜ! どんな手を使ってもな!」
春海は、
「その場合、
俺はスマホを、自分の首の横に当てた。春海は疑問の表情で、聞いてきた。
「何のマネだね、それは?」
俺は、答えてやった。
「このスマホで、俺の首をえぐる。そうすれば出血多量で、死ねるだろう。俺はもう、誰も殺さない! たとえ俺が死んでもだ!」
すると
「
その声には、俺の自殺を止めさせる
「
だが春海は、冷静に聞いた。
「それでは義勇兵を集めることは、できませんよ? 私が考えたこのプロジェクトでは、五人の義勇兵をY国に送るんですが」
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