第三十六話
それを聞いた俺たちは、
くっ、やはりボスキャラも、距離を縮められてからの集中攻撃を
『ドコーン、ドコーン……』
俺たちは、もちろん自分のキャラを後退させてバズーカ砲の射程距離外に移動した。だが、違和感を感じた。何だ? キャラの動きが遅い? 気づくと俺のキャラは、また川の中に入っていた。しまった、川の中に入って、動きが遅くなったか。いや、これがボスキャラの
動きが遅くなった俺たちのキャラに向かって、ボスキャラは一気に距離を縮めてきた。バズーカ砲を、撃ちながら。
『ドコーン、ドコーン……』
マズい、このままでは
俺は、川が流れている方向に、キャラを動かしてみた。すると地上にいる時よりも、キャラを速く動かすことが出来た。これだ! 俺は
「皆! 川が流れている方向に、キャラを移動させろ!」
すると皆は、俺のキャラを
マジか、これはヤバい! どうする、どうする、どうする?! すると、ひらめいた。よし、これに
「皆も、川から上がれ!」
すると伊留美は、聞いてきた。
「川から上がってどうすんのよ?! 動きが遅くなってボスキャラに狙われるわ!」
だが俺は、冷静に答えた。
「いや、狙われるのはボスキャラの方だ」
「どういうこと?!」
「川の流れを利用して移動すると、速すぎて攻撃できない。速すぎて狙いを定めることができないからだ!」
「な、なるほど!」
そして皆は、自分たちのキャラを川から上げた。俺は、叫んだ。
「よし、これからボスキャラが流れてくる。そこを集中攻撃する!」
皆が頷くと、ボスキャラが流れてきた。そしてバズーカ砲を、撃ってきた。
『ドコーン、ドコーン……』
だが速く移動しながらの攻撃なので、狙いが
「撃てーっ!」
俺たちは、ライフル、マシンガン、ショットガン、ピストルで攻撃した。
『ドウ、ドウ、ドウ、ドウ、ドウ……』
『タタタタタッ、タタタタタッ……』
『ドパアン、ドパアン……』
『パン、パン、パン、パン……』
『ドパアン、ドパアン……』
俺たちの集中攻撃を
「うおー! やったー!」
「きゃー! やったー!」
「うおおおお! やりましたー!」
「ふう。勝ったのね、私たち!」
「ふん、勝ったか……」
すると『れる』の大きな声が、会場に
「おめでとうございます、皆さん! 見事に第四回戦を勝ち
それを聞いて、俺は
「なあ、『れる』。優勝賞金の一億円って、どうなるんだ? 決勝戦で勝ち残った奴らで山分けするのか?」
するとやはり『れる』は、陽気な声で答えた。
「いいえ。このゲームでの優勝とは、勝ち残ったことを意味します。つまり五人の方が勝ち残れば、それぞれに一億円づつ差し上げます!」
俺はそれを聞いて、やる気が出てきた。次の決勝戦で勝ち残れば、一億円が手に入る。このゲームを始めた頃は優勝なんてできないと思っていたが、あと一回勝てばいいんだ。
俺は自分と仲間が死ななければそれでいいと思っていたが、この五人なら出来そうな気がした。誰も死なずに決勝戦で勝ち残り、皆が一億円を手に入れられそうな気がした。あと一回だ、あと一回勝てば一億円が手に入る! すると再び、『れる』の陽気な声が響いた。
「それでは次の日曜日の決勝戦まで、さよーならー!」
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