第二十五話
俺は、何も言えなかった。
「うっ、うううう……」
だが、疑問に思っていることを聞いた。
「それにしてもお前、よく敵キャラの後ろに回り込めたな?」
すると
「はあ……。今、自分がいる場所の
俺はまた、何も言えなかった。
「う……。そ、それは……」
すると伊留美は、ツッコんできた。
「それは、何?」
俺は、やっと答えた。
「それは
伊留美は少し、
「はあ。まだヌルい第二回戦で、他人に協力してもらうなんて……」
俺は少し、イラついた。
「そういうお前はどうなんだよ?! 第二回戦で一人で敵キャラを全員、倒した訳じゃねえんだろ?!」
すると伊留美もちょっとイラつきながら、答えた。
「あれは
なるほど。確かにそれは、ちょっと運が悪かっただけか。伊留美が味方よりも先に敵キャラを見つけていれば、おそらく伊留美が一人で全ての敵キャラを倒しただろう。
それにしてもマシンガンを持ったボスキャラを、一人で倒したのか。俺はあんなに
『ドウ……』
『ドウ、ドウ……』
「ちっ、アタシとしたことが、攻撃を喰らうなんて!」
そして伊留美は自分のキャラを、俺のキャラの後ろに
「あ! おい、てめえ! 人のキャラを
すると伊留美は、
「うるさいわね、アタシは攻撃を喰らっちゃったの! あんたとくだらない話をしていたせいで! だから責任、取ってよ!」
俺は少し、納得がいかなかった。責任って……。俺と話をしててスキを作った、自分の責任はどうなるんだよ……。だが今は、そんなことを考えてる場合じゃない。俺は伊留美に、告げた。
「とにかく今は、攻撃をかわすぞ。横の
俺と伊留美は、自分たちのキャラを通路の左にある脇道に隠した。すると、敵キャラの攻撃も止んだ。
俺は伊留美に、命令した。
「おい! さっきみてえにこの脇道を通って、あいつらの後ろに回り込め!」
「無理よ!敵キャラの位置からするとこの脇道を通ると、敵キャラの前に出るわ! 集中攻撃を喰らっちゃうわ!」
くっ、なら、どうすればいい……。少し考えた俺は、提案した。
「なら、敵キャラを前進させればどうだ?! それならさっきみたいに敵キャラの後ろに回り込めるだろ?!」
「そりゃそうだけど、一体どうやって?!」
「おれが敵キャラを引きつけて、前進させる! それならどうだ?!」
伊留美も少し、考えた。
「そうね、それならイケるかも……」
そして、小さな声で続けた。
「でも、無理はしないで。あんたがやられて二対一になったら、ちょっと困るから……」
俺は、聞き返した。
「あ?! 何だって?!」
すると伊留美は、叫んだ。
「死ぬなって、言ってんの! ほら早く、敵キャラを引きつけて!」
「分かってる!」
俺は脇道を出ると、二人の敵キャラに攻撃した。
『ドウ、ドウ、ドウ、ドウ、ドウ……』
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