第十九話
すると
「それじゃあ私たちは、他人じゃいられませんね?」
あ、そうだなと思った俺は、彩華さんに告げた。
「彩華さん、俺と付き合ってくれ! 俺はナイトになって一生、彩華さんを
すると彩華さんは、真剣な表情で答えた。
「告白してくれて、ありがとう。でもこの返事は、ゲームが終わってからにしますね」
しかし彩華さんの
●
次の日の朝。ベットで目を覚ました俺は、
と俺が悩んでいると、キッチンにいる彩華さんから声をかけられた。
「あ、起きたんですね。おはようございます」
俺は思わずベットの上で、
「あ、こちらこそ、おはようございます……」
しかも敬語になっていた。
すると彩華さんは、笑顔で続けた。
「冷蔵庫を見てみたんですけど、あまり食材が無くて。でも卵があったので、目玉焼きを作ってみました。あと食パンがあったので、食べますか?」
俺はまたしても、敬語で答えた。
「ありがとうございます。俺はいつも、そんな感じの朝食を食べます。食パンをフライパンで焼いたりして」
「あ、なるほど。それは良いですね」と彩華さんはフライパンに、食パンを入れた。
き、気まずい……。こういう時、どうしたらいいんだ……。俺は取りあえず、聞いてみた。
「あ、あのー、彩華さん……。昨日の夜は、ここに
俺はそう聞いてしまってから、
だが彩華さんは、笑顔で答えた。
「はい、そうですよ。取りあえず
と、友達……。そうだよな、まだ付き合っていなから、友達だよな。俺はその友達と……。
そして、ふと思った俺は、聞いてみた。
「え、えーと、彩華さんは、親と同居しているんですか?」
「はい、そうですよ。一人暮らしするとその分、お金がかかっちゃいますから。そのかかるお金を、妹の治療費に使いたいですから」
しまったーー!!
と俺が落ち込んでいると、彩華さんはガラステーブルの上に皿を
そして、微笑んだ。
「それじゃあ私も一緒に、いただきますね。私のナイトさん」
俺は『ナイト』というその一言で、
「ああ、いいよ、食べてくれ。そしてゲームに勝とう! そして付き合おう!」
彩華さんはやはり、笑顔で答えた。
「はい!」
朝食が終わると彩華さんは、これから大学に行くと言って俺のアパートから出て行った。まだ、
それから俺はノートパソコンを立ち上げ、『スコーピオン』にログインした。もう、俺が生き残るだけじゃダメだ。彩華さんも護らないと。だから『アーツ』に似ている『スコーピオン』で、もっと訓練したいと思った。
そして画面を見てみると、またゴールドがたまっていた。俺はそれで、今度はマシンガンを買ってみた。『アーツ』では、マシンガンを持っている敵キャラが現れた。すると『アーツ』でも、マシンガンを使えるようになる可能性がある。もし『スコーピオン』でマシンガンを使ってみてライフルよりも有利なら、『アーツ』でも使ってみようと考えた。
だが、ダメだった。確かにマシンガンは、ライフルよりも
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