古い神社
ここの神社は、いつからあるのだろうか。
地球の歴史は47億年だって、誰かが言ってたけどそんな昔なわけないし。
とはいえ、最近にできたものには思えないからやっぱりそれぐらい古いのだろうか。
いや…でも、にんげんってそんな歴史長いんだっけ?
そういえば前にお姉さんが、「きょーりゅーの時代とにんげんの時代は一緒じゃないんだ…」って教えてくれた気がする。
きょーりゅーは『ぜつめつ』していて、今じゃ1匹も残ってないらしい。
「だから日向くんがきょーりゅーに乗ることは、残念だけどできないんだ」って、お姉さんが言ってた。
なら、きょーりゅーがみんなしんじゃって、ぼくたちにんげんの時代になって。
それからこの神社が建った、ということ?
色々考えてみたけど、結論は出なかった。
少なくとも、ぼくが生まれる前にはあったんだろな…ということを除いて。
少し歩みを進めたところで、僕は衝撃の光景を目にした。
「え…」
きのうの夢の、あの子だ。
ぼくはすかさず走り出した。女の子のほうはというと、頭に『?』マークをうかべてるみたいな、ぼくのことを不思議がっているような目つきをしている。
ぼくは話しかけてみた。
「ねぇ!きみ、この前夢で会った子だよね?」
女の子は困った顔をした。
そっか、夢を見たのはぼくだけで、あの子は見てないんだ…、そう思ったが、帰ってきた言葉は予想外のものだった。
「え?きみは…昨日ここで、迷子になってた子だよね?…今日も迷子なの?」
ぼくの夢の内容と、完全に同じだ。
ぼくはたしかに、夢の中で
でもあれは、夢だったのだ、
じゃああれは、夢じゃなかったということか。
ぼくはわけが分からなかった。
「帰りたい?」
女の子は唐突にそう訊いた。
ぼくは「ううん、」と答える。
すると女の子は満面の笑みでぼくの手を掴んだ。
真夏なのに、凍ったようにつめたかった。
「わぁ!なんでこんなに手がつめたいの?」
「うーん、なんでだろね…」
「寒いでしょ、ぼくが暖めてあげるよ」
ぼくは手をそっと繋いだ。
「きみの手、すごく暖かいね」
「うん、だってぼく、ご飯ちゃんと食べてるもん」
「そっか…ねぇきみ、名前は?」
「ぼくはね、日向っていうんだ!きみは?」
「私の名前は遊月だよ」
女の子の名前は、『
「あら、もうすぐ夜明けじゃ…?」
「うん、ぼくにも夜明けのように見える…」
「きみ、戻ったほうがいいよ」
「…え?」
『繧ゅ≧縺吶$螟懊≠縺代□』
何を言ってるのか、そもそもコレは言語なのか。ぼくには全くわからなかった。
ぼくは見えないナニカに力いっぱい突き飛ばされたかの如く吹っ飛んだ。
「うわぁぁぁぁああ!」
ぼくは何者かに叩き起こされた。
「日向…どうした?夏とはいえ…外で寝るなよ、風邪引くぞ」
目の前にいたのは、ぼくのお父さんだった。
「あれ…神社…?それに、
「…まだ寝ぼけてるのか?おーい、起きろ〜」
夢なんかじゃ…、と言いかけたところで、ふと思い出す。
そういえば、遊月と初めて会ったのも、夢の中だ。
もしかしたら遊月は…
いや、きっと考え過ぎだ。
「さっきの神社に行ってみようかな」
ぼくは自分に言い聞かせるように呟いた。
行けば、何かわかるかもしれないし、
暇を持て余していたから、丁度いい。
ぼくは、出かける準備を始めた。
夜明ク日ノ出と溺レ月 はるりぃ*。+ @harury_0315
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