第541話 承次郎となる side伊勢成実
海鮮丼食べてさ?工場見て回って朝食食べて…
バスに揺られて…あーし眠くなってきちゃった…。
とわわんははしゃいで通路越しに承を構ってる。
…香椎玲奈の問題が解決したなら…もう承はきっと…玲奈と…。
それで良いって思いとこのままでいいの?って思いがせめぎ合う。
でもコレは昔から。
ずっとずーっと常に付き纏う思考だったのね。
とわわんは強いな。
あたしは正直にそう思う。
あの香椎玲奈に会って、その上で勝つ気なんだから…。
『なるみん!退屈そうじゃない?』
『あーし寝てるー。』
とわわんはにっこり笑って、
『暇つぶしにコレ!
アレの続き!
…捗るよ…?』
渡されたのは…
『武将様に溺愛されて2』赤城アンネ先生著!
ばか!こんなとこで読めないでしょ?!
とわわんはにんまりほくそ笑むと、
『挿絵だけは開かない方がいいよ?』
☆ ☆ ☆
承次郎と永奈姫の再会からの一途な愛…そして熱の籠った性描写!承次郎が未開発の永奈姫をコレでもか!って愛して愛して…最初は痛がってた永奈がだんだんその愛と熱に喜びの反応を示すんだ。
…でもさ…これ…玲奈と承の…ごにょごにを猛烈に想像しちゃうんだよ!
めっちゃ興奮するけど脳がやられるの!
ぺらり、ページを捲る。
承…次郎は良いんだよなぁ…
前巻で知ったんだ…好きな娘なら男の子は一晩に10回くらいヤレるし、一晩中ヤレるんだぁ…。
※3人目の勘違いが発生。
前話から1ヶ月…永奈姫と承次郎は…肉欲な日々を送っていた…!
永奈『承次郎どの…もう…ダメぇ♡』
承次郎『永奈!永奈!』
あぁ…脳が破壊されちゃうよぉ…
承次郎の…大っきい…♡
良いなぁ…承次郎に可愛がってもらえて。
さて、舞台は戦国時代。隣の大名家との境目に屈強な大規模山賊団が居ると言う。
攻められれば向こうの国へと国境ギリギリで乱暴狼藉三昧のとんでもない悪党集団!
『ひゃっはー!!』
馬に乗り、斧を振り回す山賊たち。
半裸なのに肩当てだけは装備しているんだね…?
そこに登場する承次郎と部下の軍勢!
承次郎は山賊をけっこう倒したが残党が隣の国に逃げ込んでしまう。コレを繰り返しているらしい。
すぐ隣の国へ逃げ込むイタチごっこ。かと言って隣の国へ侵入したら戦になっちゃう!
山賊被害重く見た両国は共同で挟撃して山賊団撃滅図るんだけど…。
こうゆうのに乗じて城を奪ったり、騙し撃ちも戦国時代あるあるなんだって。
こういう時は人質を交わす。
嘘や騙したら人質の命は無い。
まあ問題無ければ作戦実行後帰国出来る危険だけど楽な任務。
…その人質に承次郎が指名されてしまう。
永奈『無事に帰ってきてくださいね…。』
承次郎『永奈を残して死ねぬよ。』
新婚早々引き裂かれるふたり。
ふたりはしばしの別れを惜しむ様にお互いにお互いを刻むように愛しあった…!
☆ ☆ ☆
永奈『なるも承次郎殿に着いて行くのですか?』
なる『はい。若殿のお世話係になりますゆえ。』
なるは永奈お気に入りの腰元で、昔から承次郎の家に仕える一族の出らしい。
気の強い美形の娘で家中でも評判の奥女中。
おっぱい大きい!
…というのは表の顔で裏の顔は凄腕のくのいち!
前回敵の撹乱にも成功した女を武器にしないタイプのくのいち。
永奈『なる、絶対に貴女以外の女人を承次郎どのに近づけちゃダメですよ?』
なる『…はっ。』
しかし…前回も出てきた奸臣の家老の陰謀で国境で怪しい動きをする家老の軍!
人質に行った敵国では歓待の嵐!殿の娘の遠姫の婿にどうだ?と引き抜きの誘い!承次郎と誼を交わしたい将家からハニートラップの嵐!
それを防ぐために必死に駆け回る幼馴染の軍師と巨乳のくのいち、なるのセクシー活劇!
☆ ☆ ☆
ふう。
本を畳むと隣の永遠が、
永遠『なるってさ?なるみんみたいだよね?名前も巨乳も!
評判の腰元だけど裏では凄腕くのいち!格好良いよね!』
『…でも…なるはこんなに承次郎好きなのに…奥さんになれないんだよ…。』
あたしはなんかしょんぼり。
でもなんかやめられずに本を読み続ける。
☆ ☆ ☆
人質交換から軍を動かして山賊討伐、残党狩りまで約3ヶ月かかる。
…その間遠姫のアプローチ、敵国のハニートラップなど全回避して承次郎は帰国する。
3ヶ月ぶりの再会に若い2人は…燃え上がる!!
永奈『3ヶ月…殿方は我慢出来ぬと聞きますが?』
拗ねる永奈を堪らず抱きしめる承次郎…!
承次郎の承次郎もバッキバキでっか!
承次郎『永奈がおるからな。我慢して我慢してもう無理じゃ!永奈!』
永奈『あぁん♡』
めでたしめでたし…
…おかしいなまだ半分は残ってるけど…?
…なる視点?
まだ敵国での頃だね?
なる『承次郎どの…。』
承次郎『えいな?』
ぼんやり承次郎はなるにむしゃぶりつく!
なるも嬉しげな声をあげて、
なる『えいなです♡あっ♡』
なる?なる?!なにしてんの?!
☆ ☆ ☆
…出るわ出るわ…なるは敵の策略潰したついでに承次郎くんを…!
その…口でしたり…胸を使ったり、催眠術かけて…やっちゃったり!
お酒飲ませて襲ったり!訳わかん無くなって性欲倍増みたいな怪しげな薬とか!
南蛮の衣装ってえっちい服着て迫ったり!
承次郎くんの記憶に残らないけどめちゃくちゃやりまくってた!
なる!やっちゃえ!
我慢してたんでしょ?好きって気持ちに蓋をしてたんでしょ?
承次郎くんはなるのおっぱいがお気に入り…おっぱいってそんなことできんの?!
…確かに視線は感じる…男の子が超ガン見してんの。
…小石とか。
あたしの胸…あたしの魅力…承…次郎に通じるなら…承にも?
そんな事を思っちゃう。
まぁなるは容赦無く承次郎くんを絞る絞る!
どんな悶々としててもなるの調合した薬飲むと翌朝までぐっすり!
しかもスッキリ!
※全部なるが美味しく頂きました…!
だから3ヶ月我慢したって承次郎くんは断言出来たんだ。
本人はえっちぃ事してないって信じてるし。
なるは裸でうっとり承次郎くんに抱きつきながら、
なる『永奈さま…お約束どおり…なる以外の女性は近づけておりませぬ♡』
なるは3ヶ月ほぼ毎日…中に…承次郎くんの…その…欲を全部…。
赤城アンネ先生…どんな人なんだろ?
※尚、伊勢家から400m程の距離に住んでいる模様。
☆ ☆ ☆
全て終わって屋敷に戻って数日。
承次郎の家の広間。
永奈『なる…。』
承次郎『なる本当に暇を?』
なるは笑って、
なる『ややが出来ては働けませぬ。
…わたしも身を固めまする。』
永奈『寂しくなっちゃうわね…。』
承次郎『なるとわしは子供の頃はよう遊んだ仲じゃ。
…なんか欲しいものは無いか?餞別になんでも言うがよい。』
なるの脳裏に浮かぶ少年の承次郎から今までの承次郎。
なるは積年の思いを遂げた結果の妊娠で満足だった。
※3ヶ月ほぼ毎晩。
なる『…では…子の名前を付けて頂けませぬか?』
承次郎はうーむと考えた。
承次郎『うむ!女子なら……は?
男子なら…承次郎でどうじゃ?』
主人から一字貰う、これはどれだけ名誉な事か!
それがまさか!承次郎から、承次郎って名乗って良いと!
お腹の子は…!
なるは泣きながらお礼を言って里へ帰った、
翌年産まれた子は承次郎と名付けられなるは生涯息子の名前を呼ぶ時笑顔になったと言う…。
☆ ☆ ☆
『なる…なる…良かったね…。』
時代は違う。女の子の方から告白したって良いし、家柄とか今はほとんど関係無い。
あーしは…。
あーしはこのままでいいの?
このまま誰にも告げずにこの思いを胸にしまったまま生きるの?
あーしはバスを降りてずっとそんなことを考えてた。
ぼーっとしながら…。
☆ ☆ ☆
青井『伊勢、くま牧場すっげえ気に入ってるな…。』
承『あぁ…あんなに熊と見つめ合って…よっぽど気に入ってるんだな…。』
仙道『あんな表情見たこと無い…熊と心通じ合ってんじゃねぇ?』
厚樹『…そうか?そうは見えないが…。』
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