第535話 修学旅行1日目
絶好のお天気!清々しい秋晴れ!
今日から五日間の修学旅行!
いつものように青井と伊勢さんとキャッキャしながら東光高校へ向かう。
☆ ☆
出発光景
家族皆んなに見送られて、爺婆から選別貰っていざしゅっぱつ!
ひーちゃんは涙ぐみながら、
ひー『にいちゃんいないとさみしいよぅ…はやくかえってきてね?
でもいっぱいたのしんできてね?』
『あいよ!』
ひーちゃんをぎゅー!ってハグ。
望は…餞別?くれんの?封筒を手渡して来て恥ずかしそうにもじもじしながら、
望『あたしこれ食べたいなぁってリスト。
お願い!お願いだよぉ!
ロイドの生チョコと白い人と北海道限定ポテチ買ってきてぇ…!
あとお金余ったらカニとかいくら…!』
※媚び媚び。
『カバンに入らんわ。
あとカニとイクラは余ったお金で買うお土産じゃねぇ。』
望はなにもタダでとは言わないよ?
ってふふんて鼻で笑うと、
望『先払い!ぎゅー!』
望のハグに抱き返す。
望『ぴゃ!』
『ひーちゃん頼むな?』
望『じゃこれで支払い完了ってことで♪』
…封筒を確認すると本当に費用入って無くて欲しいお土産(食べ物)リストだけだった…。
☆ ☆ ☆
東光高校に着くと駐車場にクラスごとに並んで待機。
クラス委員長の俺が点呼して周り、全員参加を確認!
ってところで、
伊勢『…とわわんが居ないんだけど…?』
あの娘ならいの1番来てそうな感じだが…
『校舎は?』
伊勢『行ってないはず、誰も見てないし、
スマホも捕まんない…。』
すぐそこだし見に行くか?
って頃に…
紅緒『…やっと…着いた…!』
『…いやすぐそこだろ?』
紅緒さんは泣き笑いの表情で紅緒さん自身が入りそうなどでかいトランクを引いて来た。キャスター付きなのにそんな重い?
紅緒『だってー!
人生ゲームでしょ?UNOトランプ。
衣類五日分に…セクシーランジェリー…♡』
『たわけ。』
俺と伊勢さんはすぐそこ…急げば3分の紅緒邸にその家の娘とトランクを引っ張って行って、荷物の再編成をさせた。
伊勢『コレ持って五日間移動するんだからね?
衣類だって洗濯したり、使い回したり工夫!
送るとしてもお土産も多少買って帰ること考えたら荷物は削減!』
せめて現地で買うとかさぁ。
紅緒さんのトランク自体は軽いのでとりあえず中身の軽量化。
伊勢『…とわわん?
何コレ?!えっろ!こ、こ、こ、こんなエロいランジェリーどうすんの?!
承は見ちゃダメ!』
紅緒『それは必要なの!なるみん置いてく方に入れないで!
女の余裕!女の武器!恥辱の最強装備なのぉ!』
『修学旅行をなんだと思ってるんだ…。』
靴二足入れてたり、衣類とかマンガとか下ろせば重量は余裕で半分になった。
なぜジョジョ三部を持って…!
せめて電子書籍…!
時間に余裕があったから出来たこと。
3人ですぐ高校へ戻ると皆が紅緒さんを呼びながら手を振ってる。
こっちをチラッて見る紅緒さんに、
『とわんこ…ごー!』
紅緒『みんな!お待たせ♪
昨日寝れた?私興奮し過ぎて寝れなかったよぉ!』
紅緒さんは駆け出した!
伊勢『とわわん走っちゃダメ!
もう、仕方ない娘だよね。』
『そうだね…。』
クラスメイトや他クラスの仲良し生徒に囲まれて紅緒さんはニッコニコ!
それを追う形で俺は伊勢さんと肩を並べて校門から中に入る。
伊勢『ね、承?』
『うん?』
伊勢さんはおろしたてのカーディガンにおろしたての靴。
髪をシュシュで束ねて可愛い感じ。
伊勢さんは真顔で、
伊勢『…とわわんさぁ。
承が大好きで…結構今回覚悟決めて攻めてくると思うよ?
…その…えっ…えろい下着まで用意してる…。』
エロいっていうだけで恥ずかしがる伊勢さんもなんかエロい…!
伊勢『…香椎玲奈の事決着したんなら…とわわんのこと…決着…
いや私が言う事じゃ無いね。
…承は無責任に女の子傷付ける男じゃないってわかってるもん。
あたしたちも行こう!』
そう言うと伊勢さんは俺の手を取って走り出す!
こうして修学旅行へ出発したんだ。
☆ ☆ ☆
2時間後。
青井『…死ぬぅ…。』
伊勢『…あへぇ…。』
青井と伊勢さんが船酔いダウン。
東光高校は公立である。
北海道までの移動手段往路は船便。
朝9:50出航翌朝3:50に小樽着と言う1日目を全開で圧迫する移動時間!
しかし、船って非日常感!二等客室貸切で他のお客さん居ないから高校生たちは大はしゃぎ!
男女別とは言え、昼間は共同スペースで仲良い男女グループとかは一緒に遊んでる。
広いふかふかカーペットが敷かれているので皆んなそのままカーペットにあぐらかいたりして座ったりゴロっと横になったり。
船室を比率で言うと男3女3男女4みたいに好きに移動して話したり船内探検したり、甲板や外ベンチで海見たり思い思いに楽しむ東光生たち。
青井『立花!仙道!船の中探検しようぜ!』
船の甲板、お風呂スペース、レストラン、ゲーセン、お土産屋さん、大きな船だからはしゃいで動き回る。
船の船首付近では、
青井『タイタニッ◯ごっこ!』
仙道『…なぜコレを男とせねばならんのだ…。』
『…縁起悪いなぁ。』
そんな一幕があったり。
一通り見て回って戻ると男女共用スペースに伊勢さん紅緒さんが去年一緒クラスだった目白くんと話してて。
混ざろうとすると、
青井『…なんか気持ちわるい…!』
伊勢さんはやれやれって顔で、
伊勢『はしゃぎすぎるからだし?
航って名前なのに(笑)』
青井『…笑えねぇ…。俺横になってる…。』
男子スペースの自分の荷物ある就寝スペース行くか?って声かけたけど修学旅行だもん、皆と居たいって。
伊勢『…気持ちわかるし。
横になって皆の話しでも聞いてれば?』
…20分後。
伊勢『…あたしももうダメ…!』
微妙に揺れる船内。
スマホや本など見てると船酔い率が高いことが実証された。
俺たちは思い思いに楽な姿勢。
横になったり壁におっかかったり何かを凝視しないように過ごす。
うんうん唸りながら青井と伊勢さん。
青井は不自然なほど動かない。
伊勢さんは落ち着きなく寝返りを打つ。
紅緒『…なるみんおっぱい大きいから苦しそう…
ブラ外す?』
その…寝返り打つたびに…Gの暴力が…!
重力と重量とGカップ…!
寝返り打つ度にバウンドするお胸、スカートだってチラッと。
コレはダメ!
俺は就寝スペースから備え付け毛布を持って来て伊勢さんの腰周りにかける。
伊勢『…しょう…ありがとぉ…♪』
弱って涙目伊勢さんは可愛い(断言)
見た目強気なギャルなのによわよわ!しゅごい!
弱ってるは伊勢さん従順でなんでも言うことを聞く。
紅緒『笑ってダブルピースして?』
伊勢『…こう?』
『お前は鬼か!』
伊勢さんのアヘぇ顔ダブルピース!
恥辱の歴史がまた1ページ…。
紅緒『そう言えば…酔い止めあるよ?』
青井『その手があった!』
伊勢『とわわん…!しゅき!』
吐きそうな2人は拝むように酔い止めを少量の水で流し込んで再び横になった。
紅緒『はしゃぎすぎて忘れていたよ!
テヘペロ!』
お昼は支給された駅弁(?)なぜ駅弁?
でも地元の駅弁ってなかなか食べないからなんか斬新。
青井と伊勢さんは食べれない為、俺と紅緒さんがふたりの分を頂いた。
おやつ用の果物ゼリーをその代わり差し出す。
空腹だと余計に気持ち悪くなるって言われて2人はもそもそ食べていた。
乗船後4時間
9:50に出稿した船は北上して北海道へ向かっている。
お昼も食べて乗船後4時間も経てばそろそろ飽きてくる訳で。
しかしうちのグループはとわんこ持参人生ゲームが大活躍…!
いつの間にか小石とあっちゃんも混じって大混戦。
取り止めのない話しをしながらの人生ゲーム。
…もっと飽きるかと思ってたけど話す内容は尽きなくて。
だらだら話し続ける。
酔い止めが効いてきた2人もぼんやり遠くに焦点を合わせて話し加われるようになって。
※焦点を合わせると船の振動で文字など揺れて気持ち悪くなっちゃう為。
伊勢『あたし…こんなに船酔いすんだね…。』
青井『…小学校の時はそんなじゃ無かったのに…?』
小学校の修学旅行は県内の観光名所の島だった。
2時間ほどのクルーズだったっけ。
伊勢『…あーし…おなかすいてきたかも…。』
遠い目伊勢さん…不思議ちゃんに見える…。
青井『…食べて気持ち悪くなると嫌だから俺はいい。』
伊勢さんは持ち込みおやつのシュークリームをパクリ。
遠く見ながらパクリパクリ。
伊勢『何処見てんのー?』
『…伊勢さんが黄昏てるように見える…。』
伊勢さんは無表情に、
伊勢『あんなにはしゃいで楽しみにしてたのに…この始末…。
陸に上がるまでは大人しくするー。』
そう言って伊勢さんはまた横に。青井も横に。
あんまり喋らないあっちゃんも横になる。
仙道がふたり見ておくよって言ってくれるから…。
『じゃ俺も横に…。』
厚樹『なぜこの広さで俺の横に寝る?』
紅緒さんに引っ張られて俺は担任に定時報告に行くことに。
あっちゃんとゴロゴロしたかった…。
引っ張られるまま、船外のデッキに…。
ん?ここに担任居るわけないじゃない?
周囲は東光生徒だらけ。
潮風に当たってる生徒、向こうの陸を眺める生徒…結構な数が居る。
紅緒さんは頬を赤らめて上目遣いで…少し溜めてからうふっ!って笑って、
紅緒『…やっとふたりきりになれたね♡』
『周り東光生徒だらけだけど?』
出発前の伊勢さんの忠告が大当たり…修学旅行はこんな感じで進むことになる…!
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