第530話 荒れ荒れ婚約破棄
新二『俺たち結婚しまーす。』
玲奈『…。』
ふぁっ?
松ちゃんはニコニコ!玲奈さんはしょんぼり顔…。
…やっぱりSATHUGAIするしか無いのか…。
って思い詰めそうな一瞬の後、
新二『…そうご報告できたら良かったんですが…
…実は俺…愛人が居て…それがバレちゃったんですよー。』
おどけるように松ちゃん。
ふぁっ?そんな事周知の事実…。
松方パパ『…お前は何を言っているんだ。』
ミルコクロコッ◯さんって言うんだっけ?有名なシーンそっくりに松方パパの呟きは静寂の広間に響く。
新二『うち、パパが子供の頃から家でも愛人の話するからどこの家でも愛人位持つの普通って勘違いしていて…
そんな話しを玲奈さんにしたら『不貞行為』って指摘されちゃってですねー?』
松ちゃんは腕を組んで困った顔。
玲奈さんはぷんぷん顔。
ぷんぷん顔も可愛いね。
松方パパ『…バカな…!』
愛人を漏らしたことなのか愛人が咎められたことなのかパパは信じられんって顔、
松方『…何をしてるんだお前…!
でも証拠はあるまい?』
松ちゃんは芝居かかった仕草で大袈裟に嘆いて、
爺やさんが後に用意したスクリーンに映し出すのは…
イチカさんと松ちゃんの事後と思われる裸シーツを巻き付けてる写真!
…めっちゃカメラ目線でふたりピースしてる✌️✌️
次は愛人2号さん…
この人は清楚女優風だけど…こっちは目を隠してピース✌️✌️
松ちゃんも隠してるじゃん…。
三枚目はお風呂場?
お風呂場に札束!松ちゃんがイチカさんと2号さんと札束のお風呂に入ってふたりの肩に手を回してるー!
俺!コレ!漫画雑誌の1番後のページで見た事あるやつー!
実在したのか…?
※ヤラセです。
松ちゃんはふうってため息吐いて…パパさんに。
新二『ね?』
松方パパ『ね?じゃねえだろ!』
新二『せんせ!コレで俺の有責になっちゃった。
不貞…しかも複数…コレって婚約破棄案件?』
松方弁護士『…いや…あの…その…。』
先生は汗をかきかきしどろもどろ。
彼はきっと松方パパに法的顧問で婚約の後押し、もしくはここで確定とか言われてたのかな?
松方パパの意向を気にして声が出ない。
新二『そっちの先生の意向は?』
香椎家の弁護士さんは若い女性の方。
ハッキリと、
香椎弁護士『不貞案件、不誠実で非常識な対応、婚約破棄に至るに十分な有責婚約者と言えるでしょう。』
松ちゃんは棒読みで、
新二『あちゃー。それは残念だなぁ。
では?香椎さん?』
香椎パパは低く通る声で、
香椎パパ『…玲奈との…娘との婚約破棄を要求します!』
松方パパは呆然、松方ママは笑いが隠しきれず微笑んじゃって、新一さんは吹き出した。
松ちゃんは軽い感じで煽るように、
新二『パパごめん!俺やっちゃった。
俺有責だから…慰謝料の支払いお願い…!
香椎さん、俺が有責ですから慰謝料はイイね…いや言い値で支払います。
松方家が有責で支払い渋ったなんて言えないもんね?』
松方パパは怒りの表情で、
松方パパ『ぐぬぬ…!
愛人の1人や2人誰だって?
そんなのも我慢出来んのか!』
松ちゃんパパは怒るけれども弁護士さんはもう諦めの表情。
香椎家弁護士と話しあっている。
松ちゃんは場が静まるのを待った後、
丁寧に香椎家サイドに頭を下げて、
新二『俺の不徳の致す所です。
玲奈さん…お嬢さんに多大なご迷惑と心労をおかけした事、心からお詫び致します。』
松ちゃんの深々と下げた頭に香椎家は会釈を返す。
…つまりどうゆうことだってばよ?
俺のオロオロを見かねたのか隣の優奈さんが俺の手を握って、
※玲奈の刺すような視線を優奈は楽しみながら
優奈『玲奈はコレで婚約解消、コレで自由!
もう君たちに障害は無いんじゃない?』
『ちょっと何言ってるかわからない…!』
場はざわめき、香椎家はホッとした表情、松方家の面々はそれぞれ違う表情でざわめきが止まらない。
☆ ☆ ☆
松方パパ『儂は認めんぞ!
こんな茶番!』
時代錯誤の妖怪がそこに居た。
まるで大昔の暴虐な王様みたいに、自分の意見をが全てだと思ってる勘違いする男がひとり。
松方パパ『こんなの!認めん!
新二はさっさと香椎の娘をピー!!(自主規制)してしまえ!
学歴なんてどうでも良い!刃向かったことが問題だ!
愛人くらいでガタガタ抜かすな!』
それはまさに裸の王様。
ひとりで自分の価値観が絶対だと主張する滑稽なほど痛々しい男の姿。
静まり返る室内、咳ひとつが室内にこだまする。
そこに急に松ちゃんママが静かに立ち上がる。
松方ママ『…愛人くらいで…?
…私には不貞托卵を疑っておいて…自分は愛人宅をハシゴして…
疑った言い訳を愛してるからとか言っておいて…自分が不利になったら暴力、強制…私も愛想が…いや元々無いわね。』
しーんがキーンになった。
静けさが怖い。
松方ママ『…先生、私も夫との離婚を請求します。
コレまでの不誠実な対応、浮気、愛人、別居歴も数年あります。
証拠も十二分にあります。』
松方弁護士『…えぇ?!』
…いったい何が始まろうとしているのか?
渦中には居るが微妙に中心から離れている俺にはイマイチわからない。
でもわかってるのは松方ママがいよいよ自分の意思で決断したことと多分松ちゃんが忙しかったのはこの為なんだろうって事だけだった。
俺は固唾を飲んで場を見守った…!
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